星野リゾートは2026年春、国の重要文化財「旧奈良監獄」を活用したホテル「星のや奈良監獄」を奈良県奈良市にオープンする。

  • 旧奈良監獄

旧奈良監獄は、明治政府が監獄の国際標準化を目指して計画し、明治41年に完成した、五大監獄の1つ。その赤れんが造の建物について、歴史的価値が高く意匠的にも優れた近代建築であるとして、平成29年2月に国の重要文化財として指定された。

明治政府が国の威信をかけて取り組んだ監獄の近代化によって建てらた秀麗なれんが建築には、明治政府の不平等条約解消への悲願と建築技術が集結されている。元収容棟は、ハビランド・システムと呼ばれた建築が取り入れられ、看守が立つ監視所を全体の中心に据え、複数の収容棟が放射状に伸びている。今日に至る日本の「近代監獄」を象徴する収容棟となっている。

今回、星野リゾートと旧奈良監獄保存活用による協定書の締結に基づき、旧奈良監獄の赤れんが建造物の魅力を最大限に活かした空間で、非日常なひとときを味わうラグジュアリーなホテルに生まれ変わる。

旧奈良監獄保存活用は、法務省との間で締結した「公共施設等運営事業実施契約」に基づき、旧奈良監獄の赤れんが建造物の耐震改修⼯事や史料館、その他付帯施設の開業準備を進めている。今後、星のや奈良監獄のホテル運営に加え、旧奈良監獄の歴史や施設を知ることのできるミュージアム施設(日帰り利用可能)の運営計画についても検討中という。