ジオテクノロジーズは8月23日、東京大学の樋野公宏准教授とともに「歩行行動に関する分析結果」を発表した。調査日は、全国的に天候が良かった2022年11月6日および9日の2日間。同社「トリマ」で収集した約157万人の人流および歩数データを集計した。

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約157万人の歩数データを都道府県別で集計した結果、平日一日の歩数の中央値が最も高かったのが「東京都」の6,136歩、次いで「神奈川県」(5,984歩)、「大阪府」(5,700歩)と、人口の多い都道府県が上位にランクイン。全国の中央値は5,009歩だった。

樋野氏によれば、「従来の研究でも“人口密度”と“歩数”に相関関係があると言われており、これは人口の多い都市部では公共交通機関が主要な移動手段であるため、歩行行動が多くなる一方で、人口の少ない郊外部や地方では自動車が主要な移動手段となっており、歩行行動が減る傾向にある」という。

また、人口密度による分類に加えて、自宅から職場までの通勤距離によるクロス集計をした結果、人口密度が同程度のエリアでも通勤距離が長い人ほど歩数が多いことが明らかに。さらに、その傾向が平日だけでなく休日も同じであることが判明した。

今回の結果を受けて、「そもそも平日の通勤が歩行行動に影響すると考えておりましたが、休日の歩行行動には通勤以外の別の要因がある可能性が、今回初めて示唆されました」と樋野氏。この要因を追求するため、今後も通勤距離と歩行行動の関係性について、人流データとユーザ属性も加えて解析していく予定だという。