Gakkenはこのほど、『認知症専門医が見つけた! 脳の寿命をのばす食べ方』(1,540円)を刊行した。
著者は、国立長寿医療研究センターで研究と臨床にあたる認知症専門医の佐治直樹氏。佐治氏は、認知症の人とそうでない人の腸内細菌とその食生活の違いを調査研究している。
「ストレスがあるとお腹が痛くなる」「旅行先で便秘になる」という経験を持つ人は少なくないが、その理由は脳と腸は互いに影響しあって体調を保っているからであるという。佐治の最新研究によると、脳の認知能力も同様で、認知症の人には、ある腸内細菌が多いことが判明した。認知症になりにくい腸内環境をつくれば、脳の若さをキープすることも可能であるとのこと。
同書ではその最新研究と国内外の最新論文、エビデンスから、どんなものを食べていると脳の若さが保たれるのか、脳を活性化する食事方法を伝えている。
同書によると、「今やろうとしていたことを忘れる」「知っているはずの名前が出てこない」などは認知機能の衰えのステップゼロ段階の可能性があるという。しかし、日々の食事で腸を喜ばせることで、認知症の発症を予防することが有効になるとのこと。
研究では、伝統的な和食だとわずかしか発症率に違いがなかったが、それに4つの食材とコーヒーを足している人は、認知症発症率が1/3になることがわかった。コーヒーを1日に全く飲まない人とカップ3杯飲む人だと認知症リスクは半減するという結果も出ている。
認知症発症率が低かった人が食べていた4食材は、DHA・EPAが豊富な「魚介類」、腸内環境を整える食物繊維が多い「きのこ類」、アミノ酸バランスのよいたんぱく質食材「豆類・大豆製品」、眠気や頭のモヤモヤをスッキリさせる「コーヒー・緑茶」だった。
同書では、日本人にとって最適な4つの認知症予防食材と効果的な食べ方を紹介。手軽に毎日取り続けることが大事であるとして、毎日食べることができる「つくおき」レシピも掲載した。
そのほか、食事以外の脳のためによい生活のコツなどのアドバイスや認知症の原因なども専門医の立場から詳しく解説している。