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その後、クラブの店内にドラマのために建て込まれたステージで、ミアのライブシーンを撮影。4人のダンサーを従えたキレッキレで貫禄十分のパフォーマンスは、ダンサーとしての本領が発揮される場面だ。

しかし、ドラマの撮影は1つのカットで終わらない。カメラの位置を変えては再びパフォーマンスを披露する……を繰り返していく。スタンバイ中に脚をマッサージするなど、相当体力を消耗している様子だが、合間の時間もダンサーたちと入念に振り付けを確認する姿があった。さらに、スモークを焚く待ち時間には、観客役のエキストラとコミュニケーションを取る余裕も見せるなど、エンターテイナーとしての本能を感じさせた。

そんなパワフルなステージを見た観客は、おのずとノリノリに。バズーカで紙吹雪を飛ばす前に、助監督が「1回しか撃てないから、驚かないように! お客さんチーム、みんな行けるね!?」と呼びかけると、「フーッ!」とリアクション。「ステージ上の紙吹雪をナイナイ(掃除)しまーす!」との声が飛ぶと、今度は「ナイナーイ!」と盛り上がる。

こうして演者も観客も一体となった撮影が終わり、助監督が「はいカットー! イエーイ!! 完璧だーー!!!」と絶叫すると、ミアもダンサーもハイタッチし、大きな達成感に包まれていた。

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その様子を、ひげを触ったり、扇で仰いだりしながら、肩でリズムをとって見ていた向井。「菅原さんとは初めてお会いしたのですが、世界観もすごかったですし、場慣れされている方なので主戦場というか、すごく新鮮でした。踊りも歌もパフォーマンスがとにかくすごくて、本当に素晴らしかったです。また、観客役のエキストラの方たちに対して、菅原さんはじめダンサーの皆さんがステージ上から、自ら盛り上げていたのが素敵でした。僕も待ちの間、(フロアの)2階から見ていましたが、素で“ヒャーヒャー”言っちゃいましたね(笑)」と打ち明ける。

一緒に見ていた上白石も「菅原さんは、太陽のようなエネルギーを持ってらっしゃる方です。早朝の支度部屋でひとり、熱唱している姿をよく見かけます(笑)。お会いするたびに元気をくださいます。お芝居も踊りもやはり本当に素敵で、菅原さんにしか演じられないミアだなと思っています」と圧倒されたようだ。

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■サイリウムを振るのは「戦場で銅鑼をたたくイメージ」

そして、ミアのステージを孔明が目の当たりにするシーンへ。観客の中に飛び込むと、その違和感はさらに増し、見よう真似でゆっくりサイリウムを振る姿は、シュールを超えてかわいらしさすら覚える。

このシーンについて、向井は「サイリウムを知らなくて、振ったことない人はどうやって振るのかな?」とか考えながら演じました。周囲を見て、とりあえず似たようなことはやってみるけど、そういうタイプじゃないから、戦場で銅鑼をたたくイメージでやってみました。監督がよく話しているのですが、『“違和感”や“ギャップ”という空間に異物がぽこんと置いてあるのが孔明だから、話し方含め、人と違うことをする、周りに流されすぎないようにする』というのは意識しています」と解説。

途中、綸巾から煙が出る場面もあったが、「僕は見えていないので、どうなっていたのかよく分からなかったのですが、周りの方がクスクス言っているのは聞こえてきて…。笑ってもらえたので良かったです(笑)」とのことだ。

一方の上白石は、ミアのライブを見るシーンについて、「この作品の大きな見どころのひとつだと思うのですが、大勢のエキストラさんのおかげで躍動感のあるシーンになりました。ミアとしての菅原さんのパフォーマンスが本当に素晴らしくて、演じることを忘れてしまいそうになるほど感動しました」と興奮し、「渋江(修平)監督の手がけるライブシーンはとても見応えがありそうなので、今から完成が楽しみです」と期待を示した。

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■41歳にしてラップやお経に挑戦するとは…

こうして無事、初日の撮影が終了。向井は「準備期間が長かったのもあり、いよいよ始まったなという感じです。この作品ならではの音楽シーンがクランクインだったので、楽しみにしていたのもありすごく見応えがありました」と振り返り、今後についても、「ラップとお経のバトルシーンがあるのですが…41歳にしてラップやお経に挑戦すると思っていなかったので、それは新たな経験として楽しみです。また、毎話出てくる音楽シーンが魅力的なので、僕自身、ひとりの視聴者として、生で見られるのがすごく楽しみです」と語る。

上白石は「クランクインの前日は、“ついに英子を演じる時が!”と胸がバクバクし、寝つきが悪かったのを覚えています(笑)。当日も緊張しましたが、渋江監督や向井さんをはじめ、現場のみなさんが自然と私を『パリピ孔明』の世界にいざなってくださいました。楽しんで英子を最後まで生き抜こうと思えた日でした」と大きな刺激になった様子で、「コミカルで鮮やかな世界観でありながらも、人が夢を追いかけることの美しさを丁寧に描いている作品です。夢を持つすべての方に届いてほしいです。ぜひ放送を楽しみにしていてください!」と視聴者に呼びかけた。

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