映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』(監督:上堀内佳寿也)が全国劇場にて公開されている。本作は、現在放送中のテレビシリーズ『王様戦隊キングオージャー』の初の劇場版。テレビでは7月9日放送の第19話において、チキューの各国を治める「王」たちがそれぞれの思いをひとつにし、「王様戦隊キングオージャー」を名乗って力を合わせて戦う展開となった。
映画では、クワガタオージャー/ギラ(演:酒井大成)がシュゴッダムの国王に即位するという状況の中、各国の王たちが「死の国=ハーカバーカ」に迷い込み、シュゴッダム初代国王のライニオール(演:中村獅童)ほか、それぞれの「因縁深い相手」と遭遇する筋書き。
映画公開記念インタビューの今回は、芸術と医療の国「イシャバーナ」の麗しき女王カマキリオージャー/ヒメノ・ランを演じる村上愛花が登場。「ただ我がままに、我が道をゆく」をモットーに、執事のセバスチャン(演:吉満寛人)をはじめ周囲をふりまわすヒメノだが、常に民のことを第一に考え、自分の危険をかえりみず戦いに赴くなど、美しさに加えて真の強さを兼ねそなえたキャラクター性で、多くのファンを生み出し続けている。
心に刻まれた深い悲しみを胸に秘め、気丈にふるまうヒメノを縦横無尽に演じている村上に、映画でのスペシャルな見どころや、共演者との絶妙なチームワーク、ヒメノを演じることで実感できる自分自身の成長について語ってもらった。
――放送開始からおよそ4か月が過ぎた『王様戦隊キングオージャー』ですが、番組の反響を村上さんご自身が直接聞く機会はありますか?
たくさん耳に届いています! 地元・福島にいる両親も見てくれていますし、両親のお友だちも「愛花が出ているから」と毎週チェックして、今ではキングオージャーにハマってくれたと聞いて、とてもうれしく思っています。
――SNSでも、毎週のオンエア直後にはすごい数の感想コメントが出ている印象です。村上さんも積極的に撮影現場でのオフショットをアップされていたりしますね。
写真のアップは意識的にやっています。そうやって日々の撮影現場のことを記録しておかないと、1年なんてアッという間に終わってしまうのではないかと心配しているんです。撮影が忙しくて、なかなか写真を撮る余裕のないときもありますが、なるべく写真を撮って、形にして残しておけたらいいなと思ってます。
――ヒメノはエピソードごとに、衣装や髪型が微妙に変化していくのがいい、というファンの声もありました。
後になってから写真を見返すと、あのときはこんな髪型だったな、こんなメイクをしてたな、こんなおしゃれもしてた……と思い出が具体的によみがえります。自分の撮影履歴を振り返るだけで、とても楽しいです。
――ずっとヒメノを演じてきて、村上さん的にヒメノが「成長したな」と思えたのはどんな回でしたか。
それこそ、今回の映画でヒメノの成長が顕著に見られると思います。私自身、映画の撮影を経験して、自分が想像していた以上にヒメノの心が強いなと感動しましたから。たとえ深く落ち込んでしまう出来事があっても、前向きに乗り越えられる……テレビでははっきりと見えなかったヒメノの一面が、映画では明確に表現されていました。映画はテレビ第21話(7月23日放送)の後の時系列で、そのまま第22話へとお話がつながります。時系列順に第21話、映画、第22話を見るとストーリーの流れがわかって面白いですし、第21~22話のあと映画を見ても楽しめるよう、お話の構造が巧みに練られています。
――テレビエピソードと映画を同時進行で撮影していて、混乱したことなどはありましたか。
映画も含めて連続ストーリーになっているので、混乱することはなかったのですが、物語の全体像が完全につかめていないまま、毎回の台本にそってお芝居をするので、ずっと後になって「あれはこういう意味だったのか」と判明するような伏線を、自分自身が知らないまま演じなければならないことが難しいですね。撮影しているときには「なんでこの人はここでこんなことを言うの?」と思っていたことでも、ストーリーが進行して新しい台本をいただくようになってから「あそこのセリフはこのためにあったんだ!」と答え合わせができるといいますか(笑)。不明なところがたくさんあるときの台本を読むのは難しいのですが、答えがわかったとき、とてもスッキリします。