先日出張で、松江~境港エリアを訪れる機会がありました。そこで編集部からは「現地で買えるお土産を紹介してください」という依頼が...。歴史ある城下町の松江(島根県)、西に足をのばせば神話のロマンあふれる出雲大社がありますね。一方で、漫画家の水木しげるさんの出身地である境港(鳥取県)、東に足をのばせば鳥取砂丘もあります。そんな松江~境港エリアで、気になったお土産をアレコレ買ってきました。

  • 松江~境港エリアでは、どんなお土産がオススメ?

山陰の冬の味覚「焼かにせんべい」

まずは無難なところから。宝製菓の「松葉かに処 焼かにせんべい」は、山陰地方における冬の味覚の王者、松葉がにの旨味をぎゅっと凝縮したせんべいです。サクッと軽い食感ながら、噛むごとに口のなかに濃厚なカニの風味が広がるのが特徴。第26回(2013年)全国菓子大博覧会の名誉総裁賞を受賞しています。

  • 宝製菓の「松葉かに処 焼かにせんべい」は8枚入りが420円、14枚入りが734円、27枚入りが1,220円、42枚入りが1,630円とリーズナブル

  • 小ぶりで食べやすいサイズ。せんべいの良い匂いが食欲を誘う

宝製菓「焼かにせんべい」
購入できる店舗:鳥取市ふるさと物産館「まちパル鳥取」(鳥取県鳥取市末広温泉町160)、市内のスーパーなど
公式サイト:宝製菓

松江は日本三大菓子処

松江藩の7代 松平不昧(ふまい)公は、茶の湯に明るかった人物。そんな”大名茶人”としても名高かった不昧公のもと、松江には和菓子の文化が花開きました。

江戸、明治、大正期に創業した銘菓のいくつかは、令和の現在も老舗和菓子店として営業を続けています。たとえば、桂月堂は文化6年(1809年)の創業、一力堂は宝暦年間(1751~1764年)の創業、彩雲堂は明治7年(1874年)の創業。由緒正しき松江の銘菓、どれをおみやげに買って帰ろうかと、きっと迷ってしまうことでしょう。

そこでオススメしたいのが、人気商品の詰め合わせ「秀菓撰」シリーズ。桂月堂の「薄小倉」「出雲三昧」、そして不昧公により考案され、今は様々な和菓子処が手掛ける松江銘菓「若草」がセットになった「秀菓撰 雪」(6個入り 972円)を購入してみました。

「薄小倉」は、蜜漬けにした大粒の大納言に錦玉を流し込んで乾燥させたもの。外はカリッカリ、中はしっとり濃厚な小豆を楽しめます。

  • 「秀菓撰 雪」(6個入り 972円)、見た目からして華やかな、松江の和菓子たち

かたや「出雲三昧」は、小豆由来の落雁、粒入り羊羹、求肥を重ねたもの。さながら江戸時代のミルフィーユといったところでしょうか。食感、硬さも異なる三層が織りなす味わいが上品でお茶に合います。

そして「若草」は、求肥に寒梅粉をまぶした和菓子。松平不昧公も、この萌えるような若草色を楽しんでいたんでしょうか。モチモチの食感が後を引く美味しさです。

  • 色合い、食感などを存分に楽しみたい

桂月堂「秀菓撰 雪」
購入できる店舗:桂月堂 天神町本店(島根県松江市天神町97)、米子空港など
公式サイト:桂月堂本店

境港は妖怪どころ

境港に寄ったのなら、絶対に外せないのが妖怪みやげ。約800mにもおよぶ水木しげるロードの周辺にあるショップでは、ありとあらゆる”水木しげる関連グッズ”が手に入ります。鬼太郎、目玉おやじ、ねこ娘、一反木綿、ねずみ男......。あらためてキャラクターの独創性とその愛らしさにほっこりする思いです。

  • 水木しげるロードには、150体超の妖怪ブロンズ像が立ち並ぶ

  • 商店街の甘味処クプクプで「ちゃんちゃんこソフト」(400円)を注文。酸味の効いたマンゴーに、優しい甘さのイカスミがほどよく合う

さて、テレビで「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメを見て育った筆者が「はて......。こんなタヌキ出てきたっけ?」という疑問とともにショップで手にとった商品が、手染めてぬぐい「タヌキ(ごろ寝)」でした。

  • 妖怪舎の手染めてぬぐい「タヌキ(ごろ寝)」。価格は1,980円。サイズは約905(タテ)×335(ヨコ)mm。綿100%。タペストリーにしても良さそう

店主に聞いたところ、ゲゲゲよりも前、1960年代の週刊少年サンデーなどに連載されていた漫画「河童の三平」の人気キャラとのこと。このタヌキ、めちゃくちゃ可愛くないですか?そして職人が昔ながらの”注染”をした手づくりの風合いも筆者好みでした。即購入。東京に戻ったら原作漫画も読みたいと思います。

妖怪舎 手染めてぬぐい「タヌキ(ごろ寝)」
公式サイト:妖怪舎

もうひとつ、妖怪みやげを紹介しましょう。妖怪食品研究所が販売している「妖菓 目玉おやじ」は、見た目のインパクトもバッチリ。ベテランの職人さんが1個1個、こし餡を丁寧に練りきりで包んだ上生菓子です。常温保存で賞味期限は4~6日ということで、お土産にも持って帰れそう。なお食べ歩き用は1本500円、持ち帰り用は2個入り(1,000円)からの取り扱いです。

  • こちらが妖怪食品研究所。商品はここでしか買えない(オンラインには未対応)

  • インパクトはバッチリ、妖菓 目玉おやじ

気になる、そのお味は―――? これが、とっても上品な和菓子でした。中のこし餡は濃密で大人の甘さ。瞳孔や虹彩の部分は適度な歯ごたえがあって食感の違いが楽しめます。「こんな本格的な味わいだったとは」と驚いて、製造元を見てみたら納得。先ほど「若草」を紹介した松江の老舗、彩雲堂の手づくりなのでした。

  • 瞳の赤、黒の部分は羊羹、表面は寒天でコーティング。店舗によれば”目出たい”お菓子として、お祝いの贈り物にも好評だとか

妖怪食品研究所「妖菓 目玉おやじ」
購入できる店舗:妖怪食品研究所(鳥取県境港市本町4 水木しげる記念館となり)
公式サイト:妖怪食品研究所

鳥取の味覚といえば?

鳥取といえば鳥取砂丘。境港あるいは米子あたりで「すなば珈琲」関連グッズを買おうかとも考えたのですが、鳥取はラッキョウの生産量が日本一=カレー王国ということで、こだわりのご当地カレールウを買って帰ることにしました。選んだのは「華貴婦人のピンク華麗(カレー)」。価格は1,010円です。

  • 貴婦人たちのイラストが面白かわいいパッケージ

鮮やかな真っピンクカレーが話題のこちらの商品。鳥取県産の”赤ビーツ”により、カレーらしからぬ色になっているそうです。レトルトパウチ食品なので、熱湯に入れて3~5分間沸騰させて、白飯の上にかければ完成。早速、ラッキョウとともにいただきます。

  • 期待通りの真っピンク! そのお味は?

なるほど、味は本格派。濃厚でピリッとした辛さもあります。具材も、鶏肉、じゃがいもなどがゴロゴロ入っている様子。様子と言いましたが、ルウのピンク色が濃すぎて具材が判別できず、口に運んでみて初めて「これ鶏肉だったのか」と分かるような次第なのです。赤ビーツは、健康に良いと言われるスーパーフード。暑い夏を華麗に乗り切れそうなこちらの「ピンク華麗」、この時期のお土産にも喜ばれるのではないでしょうか。

ブリリアントアソシエイツ株式会社「華貴婦人のピンク華麗(カレー)」
購入できる店舗:大榎庵(鳥取県鳥取市大榎町3-3)、米子空港など
公式サイト:ブリリアントアソシエイツ