中国最大の旅行情報サイト「馬蜂窩(マーフォンウォー)」の公式日本総代理店業務や海外向け決済などのサービスを手掛けるインタセクト・コミュニケーションズ株式会社は、5月23日、24日に中国本土において25歳から49歳以上を対象に「中国における訪日意欲のアンケート調査」を実施した。同調査の回答数は1043件、うち男性555件、女性488件。メッセンジャーアプリ「WeChat」のアンケート機能(テンセント社提供)にて行われた。

今回のアンケートで回答した人のうち、日本に訪れたことのある人が374人(35.9%)。訪れたことがない人は669人(64.1%)。昨年だった。秋に実施したアンケート調査(2022年9月14日に同社が実施)でも「海外旅行が再開したら、どこへ行きたい」については、「欧州」が26.0%で最も多く、次に「日本」が23.2%で、日本旅行に興味を持つ人が多く、引き続き、日本への関心が高いことが分かった。

また、日本に訪れたことのある人のうち、「また日本を訪問したい」と回答した人は342人(91.4%)で、多くの観光客が再訪を希望しているという結果だった。

再訪を希望する人のうち、日本を訪れたい時期について、「有給休暇を利用する」と答えた人が最も多い40.1%で、次に秋の大型連休とされる「国慶節を利用する」と答えた人が28.4%「夏休みを利用する」と答えた人が17.0%。中国からの観光客といえば、一般的には春節(旧正月)をイメージすることが多いが、「春節を利用する」と答えた人は7.6%だった。

  • 訪日意欲は高く、再訪を希望する人は91.4%

「日本に旅行する理由は何ですか」というアンケートについては、「観光地に行きたい」が1位で90.4%とほとんどの回答者が観光を強い関心を持っていた。次いで「日本食を食べたい」が80.7%。「日本で買い物をしたい」は3位で68.1%だった。

訪れたいエリアについては、北海道の人気が最も高く、関東、九州、近畿がその後に続いた。

昨年秋に同社が実施したアンケートでも訪日の目的は、「買い物」より「観光」を希望する人が多く見受けられたが、引き続きその傾向となっている。昨年秋のアンケートでは、「行ってみたい日本の観光地」という質問に対し、富士山が最も多く19.1%、続いて北海道の18.5%で、 かつての“爆買い”をイメージさせる東京への観光は17.1%で3位だった。

  • 訪日の目的:9割以上の回答者が「観光地」を選択。続いて「日本食」が2位

2019年12月から始まった新型コロナウイルス感染拡大に伴う対策で海外旅行に制限がかけられてきたが、いわゆる「ビフォーコロナ」と「アフターコロナ」での訪日意欲のアンケートについて、「訪日意欲が上がった」と回答した人は44.4%、「変わらない」と回答した人が26.9%。「下がった」と回答した人は28.9%だった。

訪日予算については、「ビフォーコロナ」では、10万円-30万円と回答した人が33.6%、30万円-60万円が32.8%、60万円以上は27.8%だったが、「アフターコロナ」では、60万円以上と回答した人は33.0%と最も多く、10万円-30万円と回答した人が31.6%、30万円-60万円が29.2%だった。

日時の懸念点についてのアンケートは、「言葉が通じない」が最も多く、次に「文化的衝突」、そして「便利な決済方法がない」が続く結果となった。「決済方法」に関しては、昨年秋のアンケートでも、「積極的にWechat Payやアリペイ等の電子決済を使いたい」が43.3%、「電子決済、クレジットカード、現金の順番に使用」が24.0%と大多数で、「積極的に現金を使いたい」は13.9%と、少数にとどまっているなど、キャッシュレス化が中国人観光客の新たなニーズとなっている。

  • 訪日時の懸念点、言葉の壁、決済方法など

日本関連の情報収集に関してのアンケートでは、やはりSNSとOTA/旅行情報サイトが上位を占めている。「Douyin(中国版TikTok)」が55.6%、「RED(中国版インスタグラムともいわれている)」が53.8%、「Weibo(中国版Twiterともいわれている)」が47.4%と上位を占めている。続いて「検索エンジン」が40.9%、「ニュースサイト」が21.6%だった。

  • 情報収集方法はSNSが主流、アニメ、ゲームなどサブカル人気

関心あるニュースに関しては、「アニメ」が最も多く、57.3%だった。「ゲーム」も「経済(51.6%)」、「流行り(45.0%)」に次いで4番目に多い40.1%と、日本が誇るサブカルに関心が集中していた。