三井住友信託銀行は6月28日、「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」の結果を発表した。調査は1月、全国の18~69歳の男女1万1,190名(ただし関連業種の金融、調査、マスコミ、広告従事者を除く)を対象に、WEBアンケート方式にて行われた。
はじめに、お金に関する不安を聞いたところ、全年代で「老後資金」への不安が1位に。
調査では、「(リタイア時に準備しておきたい)老後資金」は「老後の生活費総額」と「老後の収入総額」の差額と想定し、その上で、「老後資金」(公的年金のほかに、自分で準備しておく金額)として必要な金額を尋ねたところ、18~29歳は「平均1,308.2万円」だったが、年代が上がるに連れて金額も上昇し、60〜69歳では「2,111.0万円」に達し、全体の平均値は「1,773.万円」という結果に。
ただし、全年代において最も多い回答は「わからない、見当がつかない」で、その割合は、年代に関係なく4割~5割を占めた。
次に、「老後の生活費」に関して質問したところ、こちらも、いずれの年代において半数近くの人が「イメージ出来ていない(わからない・答えたくない)」(47.9%)と回答。
また、50代~60代に「現時点の生活費」と「老後生活費(見込み)」を聞いたところ、現時点の生活費が一定以上の区分においては、老後生活費の見込みを現時点の生活費のおおよそ7-8割程度と想定していることが明らかに。リタイア後の生活費について「現時点の生活費から極端に減らさなければ」という意識ではないよう。
続いて、老後の収入の柱となる「公的年金」についての意識を聴取したところ、「ねんきん定期便」などで受給月額をイメージできている人は45%。一方、18歳~29歳の若年層においては「種類はわかるが、金額はわからない」が約2割、「種類も金額もわからない」が約3割という結果に。
また、リタイア後の収入を支える柱の1つ「退職金・企業年金」については、18歳~39歳の約半数が「制度」としては知っており認知度は高いよう。一方で、退職金・企業年金の「支給水準」のイメージは、40歳代までは3割程度、50歳代でも4割程度にとどまり、「ねんきん定期便」などで個人別に通知される公的年金に比べて、退職金・企業年金に関する認知割合の低さがうかがえる結果となった。