製品評価技術基盤機構では、夏に発生しやすい、誤った取り扱い等による「製品事故のリスク」に関する情報を公開している。本稿では、「携帯用扇風機」「モバイルバッテリー」「防水性の衣料・繊維製品」に関する事故について紹介する。
携帯用扇風機の事故
近年、インターネットで購入した「携帯用扇風機」での事故が多発しているという。携帯用扇風機は、落としたりして強い衝撃を与えたりすると、リチウムイオンバッテリーがへこみ、内部ショートが発生したのち発煙や発火するおそれが。
そのため、充電時は様子が見え、体から離れた場所、かつ周囲に可燃物がない場所で行い、就寝中の充電は避けるのがベストとのこと。さらに、「充電できなくなる」「電池部分が以前と比べて非常に熱くなる」「電池が膨らむことで本体が膨らむ」といった異常がないか、時々確認することが重要だという。
なお、強い衝撃を与えてしまった場合には、使用を中止して製造・輸入・販売事業者の修理窓口に相談する必要があるが、事業者に問い合わせようとしても連絡先が不明だったり、日本語が通じないといったトラブルも多い。そのため、製品を選ぶ際には「事業者と連絡が取れること」が一つのポイントになるとのこと。
モバイルバッテリー等による事故
リチウムイオンバッテリーを使用している「モバイルバッテリー」などの製品や、高圧ガスが使われている「虫よけスプレー」や「冷却スプレー」などのエアゾール缶は、高温にさらされることで発熱・破裂・発火するおそれが。そのため、高温下での使用や保管を禁止している製品を自動車内に放置しないよう、注意が必要とのこと。
なお、NITE公式 YouTubeでは、「【nite-ps】モバイルバッテリー『6.高温下に放置して発火』」の注意喚起動画が公開されている。
防水性の衣料・繊維製品による事故
夏に使用機会が増える防水性の衣料・繊維製品に関しては、「洗濯機での洗濯・脱水は行ってはいけない」とのこと。
水を通さない製品を洗濯機で洗ってしまうと、洗濯槽の中に水がたまってしまうため、脱水時に異常振動を起こしてしまい、洗濯物が飛び出したり、衣類が損傷したり、時には洗濯機や周囲の壁や床などを破損することも。また、洗濯機が転倒することもあり、大変危険とのこと。そのため、防水性の衣料・繊維製品は、全自動洗濯機・ドラム式洗濯機の洗濯槽や、二槽式洗濯機の脱水槽には「絶対に入れてはいけない」としている。