歌手のアグネス・チャンが、きょう28日に放送される日本テレビ系特番『いきざま大図鑑』(21:00~)で、老人ホームへの入居を検討する。

  • アグネス・チャンと3人の息子たち=日本テレビ提供

香港出身のアグネスは、1972年に「ひなげしの花」で日本デビュー。高く澄んだ歌声とたどたどしい日本語が受けて一躍人気アイドルとなった。86年、当時マネージャーだった男性と結婚した後、3人の子宝にも恵まれたが、06年に唾液腺腫瘍、07年に乳がんを発症。再発を心配していて「あまり子ども達に迷惑をかけたくない」と、67歳にして老後の準備を急いでいるという。

現在、日本で暮らすアグネスが、老人ホーム見学のために訪れたのは、アメリカ・カリフォルニア州。ここは、自らも教育学を学び、3人の息子たちが入学・卒業したスタンフォード大学がある思い出の地。“老いてからも独立していたい”、“誰かに依存していたくない”と考えるアメリカの富裕層たちに人気の高級老人ホームを見学する。

三男・協平さんと共に訪問したアグネスを、24時間常駐するコンシュルジュが出迎え、スマートホーム対応、広さ60平米、2LDKという部屋に案内される。施設内にはフィットネスセンターやマッサージルーム、シアターもある充実ぶり。レストランでは健康に配慮された高級フレンチを試食し、「高級レストランの味。老人ホームじゃない」と舌鼓を打つ。

入居費用に驚く一幕もあったが、「私にケアが必要になったとき、子どもが心配する必要がないようにしたい」と、アグネスとコンシュルジュとの間で前向きに話が進む。しかしそこに、三男・協平さんが「僕はケアできるよ」とカットイン。どうやら、本人の思いと息子たちの思いの間に溝がある様子だ。

そこで、現在スペインで働いている二男・昇平さんをのぞいた、長男・和平さん、三男・協平さん、アグネスの3人で、シリコンバレーの自宅で家族会議。まず「ステージ衣装や思い出の品などどうするか?」という終活の話から始まるが、三兄弟とも海外で活躍し、経済的にも独立した人生を歩んでおり、息子たちから「欲しい人にあげるとか、美術館とか受け取ってくれるところがあれば」(和平さん)とチャリティーオークションを提案される。

そして話は本題の老人ホーム入居問題へ。アグネスは「介護は簡単じゃない。君たちだけじゃなくて家族、お嫁さんにもすごい負担がかかる。君たちがママのことを心配せずに自分の人生を全うしていく。それが理想。“老人ホームに入れたら親孝行じゃない”と考えなくていい」と、変わらず自らの老人ホーム入居を強く主張する。

そこに三男・協平さんが「本音を聞きたい。迷惑をかけたくない(という建前)じゃなくて。“家族の周りにいたい”でも、“高級老人ホームでシャンパン飲んで遠足行きたい”でもいいので、本音を。家に居たいって言うのなら、それもできると思う」と、ダイレクトに突き付ける。加えて長男・和平さんからも「(介護が)簡単だとは思っていない。家族でもできる介護があればやっていきたい。固定観念で“こうしなきゃいけない”っていうのは本質的じゃない」との言葉が飛び出し、アグネスは沈黙してしまう。

真剣な話し合いを経て、家族でどんな答えを導き出すのか。老人ホーム見学、家族会議の一部始終に密着する。

なお、3兄弟全員がアメリカ・スタンフォード大学を卒業したアグネス家。世界大学ランキング2023で3位(東京大学は39位)にランクインした一流大学だが、番組ではアグネス流の子育て術も本人の口から語られる。

その中の1つが「生まれてすぐから本をたくさん読み聞かせる」。アグネスいわく、「とにかく毎日違うもので刺激して、本をたくさん読んであげる。絶対に効きます」とのことで、三男・協平さんは2歳で本が読めるようになり、子育ても楽だったそうだ。番組では、食事にまつわる子育て術や、息子たちから語られる子育て秘話も明かされる。