京浜急行電鉄は10日、約28年ぶりの運賃改定を10月1日に実施するほか、さらなる安全対策やユニバーサルで快適な輸送サービスを推進するため、1000形8両編成・6両編成を1編成ずつ代替新造するなど、2023年度に総額295億円の設備投資を行うと発表した。

  • 京急電鉄1000形。2023年度は8両編成と6両編成を1編成ずつ新造する

2023年度は引き続き品川駅付近および大師線の連続立体交差事業、車両の代替新造、ホームドア設置工事など推進するほか、新たに全車両への防犯カメラ設置を進める。照明設備のLED化といった環境負荷低減に向けた取組み、羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設工事、今後の労働力不足や事業効率化を進める上で必須となるICT分野への投資など、将来の成長に向けた投資についても着実に進めるとしている。

車両の代替新造として、より安全で快適な車内環境を提供するため、1000形を8両編成1編成・6両編成1編成、計2編成を代替新造する予定。近年の鉄道車内における傷害事件等の発生を受け、地上側でリアルタイムに映像の確認ができる新たな防犯カメラを2026年度末までに全車両へ導入する。

  • 車内防犯カメラは2026年度末までに全車両に導入

  • 品川駅付近の連続立体交差事業も推進

  • 1000形16両を対象に車体更新工事を実施。フリースペースを設置するほか、固定窓の一部開閉化なども行う

車両更新工事は1000形16両(8両編成×1編成、4両編成×2編成)を対象に実施予定。あわせてベビーカー利用者や大きなトランクを持ち運ぶ利用者が快適に乗車できるようにフリースペースを設置する。非常通報装置の増設、固定窓の一部開閉化なども行う。

ホームドア・ホーム固定柵の設置工事も進めており、昨年度までに12駅にホームドアを設置した。2023~2024年度は計9駅(青物横丁駅、梅屋敷駅、六郷土手駅、八丁畷駅、生麦駅、弘明寺駅、杉田駅、金沢文庫駅、金沢八景駅)の設置工事を進める計画としている。

  • ホームドアは2023~2024年度に計9駅で設置

  • 神奈川新町駅で大規模改良工事に着手する

神奈川新町駅で大規模改良工事に着手し,エレベーターやエスカレーターを新設するほか、道路との接続歩道橋なども整備し、駅周辺と一体的な移動円滑化を図る。その他の駅も、雨天時の混雑緩和に向けたホーム上家延伸、トイレのリニューアルなど実施。鉄道を利用しやすい環境整備を進める。