Hulu初のオリジナル映画作品『ゼロの音』が、27日から配信されることが決定。映画初主演の川谷絵音と萩原みのりがW主演を務める。

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同作は、Huluによる新世代映像クリエイター発掘・育成プロジェクト「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」第1回グランプリの老山綾乃氏が監督・脚本を務め、病によって音楽の道を絶たれた青年が、憧れの人の死に直面したことをきっかけに人生を再生していくハートフルドラマだ。

ドラマ『恋のツキ』で演技に初挑戦して以降、演技経験はあった川谷だが、映画の主演は初。今回のオファーを受けた理由について、「一番は監督の手紙です。直筆の手紙をいただいて、これはちゃんとやらないといけないと思いました。また、楽器を扱う作品だったことと、ジストニアという自分の身近にある題材を描いていたので、やってみようと思いました」と語る。

共に主演を務める萩原は「頂いた脚本のラストシーンが好きで、このシーンを演じてみたいというのが一番大きかったです。また、川谷さんが主演と伺って、良い意味でどんな感じになるのか想像ができなくて、ぜひこの作品に参加したいと思いました」と話し、「川谷さんとは行きの車から帰りの車まで、休憩中もずっとお話しをしていました。その時間のお陰もあって、撮影の時間だけでは埋められない、川谷さん演じる弦さんと自分が演じるいととの距離の詰め方というか、関係性を自然と作ることができたと思います」と手応えを述べた。

川谷は、普段扱う楽器はギターとキーボードで、今回チェロに触ることも初めてだったため、実際にコンサートでチェロを弾くシーンを演じるにあたって、事前に練習し、準備を重ねたといい、チェロ監修をした奥村景氏は、川谷のチェロ演奏シーンを見て「チェロとギターは同じ弦楽器の仲間ですが、全然弾いた感覚が違うので最初は川谷さんも苦戦していました。さらに、今回使われた曲はチェリストでも弾くのが難しい曲です。ですが、2回目のレッスンでは曲をほぼ覚えていて軽く手直しをする程度まで上達していてビックリしました。撮影の時には、曲の雰囲気に合わせ情熱的に演奏するまで仕上がっていて、良い演奏シーンになるのではと楽しみに思えるほどでした」と印象を話し、川谷は「チェロは、撮影に入るまで毎日弾いていました」と振り返る。

監督・脚本の老山氏は「繊細に物語を捉えて、大胆に演じ、何より上国料いとという人物を愛してくれた萩原さん。なんてことないみたいな顔をしながらも、チェロもお芝居も全力で応えてくれて、作品を力強く引っ張ってくれた川谷さん。ラストシーンは萩原さんと川谷さんのアイデアで、脚本にはない終わり方を迎えました。ほんの些細なことだけど、弦にとっては非常に大きな意味を持つ終わり方になりました。チェロを抱きしめる川谷さんをみて、川谷さんにしか“弦”(役)は演じられないと思いました。それに、萩原さんにしか“いと”という人物は捉えられなかったと思います。2人に演じてもらえたことが、脚本・監督の私にとって最大のしあわせでした。ありがとうございました」と話した。

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