ファイブフォックスが展開する「ギャバジン K.T」は、紙からつくった糸で織り上げた生地で、耐水性があり自宅で洗濯も可能なブルゾンを発売する。4月1日より全国のコムサ・ステージやコムサ・プラチナなどの店舗で展開する。
日本では奈良時代に既に存在していたといわれている和紙を材料とした着物の「紙衣」を、現代のファッションとして甦らせるため、紙からつくった糸「抄繊糸(しょうせんし)」を使用した。
昨年も抄繊糸を使用したアイテムを発売したところ、軽い着心地やイージーケアであることから好評で、今年はさらに細い糸の開発により、透けて見えるほど粗く織り上げてシアーな素材に進化。さらっとした風合いや、熱がこもらず快適に過ごせる、紙からできた生地の良さを感じられるショートブルゾンが完成した。
紙は、水に弱い印象があるが『生地にする』用途でつくられている抄繊糸は、洗うことが前提なので強靭で耐水性に優れているという。原料であるエクアドル産のマニラ麻は、肥料や薬品を使わずに、栽培や伐採ができるので、環境にやさしい植物で、繊維が長く、強度の高い紙を作るのに適している。マニラ麻で耐水性のある紙をつくり、1㎜幅に細長くカットした後に、水の中で撚りをかけることで、安定感のある糸ができる。タテ糸、ヨコ糸、共にこの糸を使い、分類外繊維(紙)100%の生地を織り上げた。自宅で洗濯が可能なので、ケアが簡単。肌離れが良く清涼感があるので、これからの季節にぴったりな生地となっている。
身頃から続いたドルマンスリーブの進化系の袖と、前身頃と後ろ身頃のヨコに走った切り替え線がデザインポイント。シアーな雰囲気を壊さないように縫い代の幅を極力細くし、ポケットの袋布にはオーガンジーを使用するなど、仕立てにもこだわった。後ろ身頃をコロンとしたシルエットにするため、後ろ丈は長めにして、袖が前側に振るようにパターンを工夫した。フード口と裾に丸ゴムを通しており、裾のみゴムの長さを調節できるので、シルエットの変化を楽しめる。ショートブルゾンはシロ、ライトグレー、ネイビーの3色展開で価格は38,500円。