「パートナーとのセックスは重要?」TENGAが男性2,000人に聞いた世代別“性意識”の違いが興味深い

「Z世代」男性とパートナーの関係についての調査を、アダルトグッズブランドのTENGAが1月25日に発表しました。今回の記事では、とっても気になる「セックス観」をテーマに3つのデータを紹介していきます(第1回 / 第2回の記事はこちらから)。

出典：月刊TENGA第49号。調査は、全国の男性2243人が対象。Z世代(853人)の他、世代が新しい順に「ミレニアル世代」(342人)「Y世代」(353人)「ロスジェネ世代」(342人)、「バブル世代」(353人)とさまざまな世代が回答しています。なお、Z世代以外については「18歳から26歳当時を思い出して答えてもらう」形式です

Z世代とは、1990年代後半から2010年代前半頃に生まれた世代。生まれる前からインターネットが社会に浸透していて、幼い頃からSNSなどに触れる機会があった人たちと言われています(諸説あり)。あ、ちなみに筆者は1980年生まれの「Y世代」男性です。ご自身が何世代か分からない場合はネットで軽く調べてから読むとより面白いと思いますよ〜。

パートナーとのセックスは重要? → Z世代の17.3%が「NO」

まずは、こちらのデータから。「パートナーとのセックスの重要度は?」とかなりの直球ストレートを投げてみたところ、「あまり重要ではない」「全く重要ではない」と答えた人の合計が、Z世代は17.3％。これは若ければ若い世代ほど割合が増えていまして、バブル世代の9.1%と比べると倍近い数値になっています。ほへー。

「ミレニアル世代」(10.8%)「Y世代」(10.4%)「ロスジェネ世代」(8.5%)「バブル世代」(9.1%)

他にも、「セックスのときに重視するものはなにか?」という質問では、Z世代における第1位は「パートナーが性的快感を感じられるか」(41.7％)と相手を優先する姿勢を見せています。ちなみに……他世代の第1位は何か分かりますか? 実はダントツで「挿入する」が1位(ミレニアル世代：61.4％、Y世代：58.9%、ロスジェネ世代：60.2％、バブル世代57.5％)でして、「パートナーが性的快感を感じられるか」についてはZ世代よりもかなり低い(ミレニアル世代：26.3％、Y世代：26.9%、ロスジェネ世代：37.1％、バブル世代36.5％)結果が出ています。

これらだけ見ると、Z世代は「自身の快感よりも相手を思いやる優しい紳士」、他の世代は「独りよがりでセックス大好きクズやろう」と読み取ることもできてしまう気がするのですが、まあちょっと待て。焦るな。どうして突出してZ世代だけがこんな傾向なのか……とっても気になりますね。

その謎を解く鍵のひとつになりそうなのが、こちらの質問。「パートナーとの理想的な休日の過ごし方は?」なんてデータもありまして、「常に一緒にいたい」と回答したZ世代は28.8％。若ければ若いほど「一緒にいたい」割合は少なくなり、バブル世代だと46.5％が「常に一緒にいたい」となっています。

「ミレニアル世代」(31.9%)「Y世代」(34%)「ロスジェネ世代」(45.3%)「バブル世代」(46.5%)

これも、「相手の時間を奪いたくない」優しい紳士さの表れと取ることもできると思うのですが、一方で、「そもそもパートナーよりも優先したいことがある」→恋愛や性への興味の薄さと捉えることもできますよね。TENGAによる別調査(月刊TENGA第48号)によれば、Z世代の性経験は他世代よりも少なく、セックスや自慰をするにしてもコスパやタイパを重視する傾向→すなわち他のことにコストを振り分けたい気持ちがあることが分かっています。

Y世代の筆者が若かりし頃を思い返してみると……テレビでは恋愛をテーマにした「トレンディドラマ」なんてのが大流行してましたし、音楽も「いかに相手を愛しているか」を熱唱するような内容がほとんどだったんですよね。クリスマスやバレンタインデーには街はカップルだらけ、都内のラブホテルは満員状態。「え、付き合ってる人いないの?」「あなたもそろそろ結婚したら?」なんて煽られる……つまり世間含め、恋愛や性の気分をおおいに盛り上げようという気運が強かったと思います。

一方で今は、恋愛以外にも楽しいことたくさんありますからね。1000円も払えばネットでアニメも漫画も映画もドラマも見放題で、「恋愛しろ」「好きな人を作れ」なんて押し付けがましさはありません。人にはそれぞれの興味関心があり、趣味嗜好も多様であって、恋愛だけが「1位」ではない。他世代と比べると、自分や相手がやりたいことを阻害してまで一緒にいるメリットがあまりない、というのもひとつあるのかもしれません。まあたしかに、恋人がいなかったとしてもネトフリとYouTubeがあれば、一生楽しい自信ありますからね(異論は認める)。

本稿の第1回で紹介したデータでも、「Z世代はパートナーとセックスについての会話をよくする」傾向があるなんて話もありましたが、「恋愛と性」が、人生における一大事から「パートナーとのコミュニケーションのひとつ」に変化したということかもしれない。あくまで筆者の推測ですが。