中国のSNSで情報発信しているカンテレでは、アナウンサーが出演する映像コンテンツの配信を、ショート動画投稿サイト「Douyin」(中国版TikTok)と「Weibo」(中国版Twitter)で、1月22日からスタートした。

これまでは、中国で配信中のカンテレ制作のドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(22年)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(21年)、『結婚できない男』シリーズ(06年・19年)、『僕らは奇跡でできている』(18年)といった番組情報を中心に展開してきたが、中国の春節(旧正月)向けに新しい動画を制作。今回はアナウンサーたちが自らの個性や関西という土地柄を生かしたユーモアあふれる内容で、最初に投稿した春節の挨拶動画は、Douyinの同局アカウントで断トツとなる9,000いいねを突破し、フォロワー数も投稿前から約4倍増の約5,800に達した(2月10日現在)。

マイナビニュースでは、昨年12月に大阪・カンテレ本社で行われた撮影に密着。機材はスマホ、そして中国の人々に向けての撮影という今までにない経験をした入社35年目の関純子アナと、26年目の岡安譲アナという2人のベテランに、収録の感想なども聞いた――。

  • 中国語で春節の挨拶に挑む関純子アナ

    中国語で春節の挨拶に挑む関純子アナ

■縁起のいい赤いスーツで登場

最初の撮影は、関アナによる中国の人たちに向けた春節(旧正月)の挨拶。「グオネンハオ(あけましておめでとう)」、「グアンシーデンシータイ ズゥダージャ トゥネンダージー ゴンシーファーサイ(新しい年にいいことがたくさんありますように。そして、お金持ちになれますように)」など、聞き慣れない中国語のセリフを覚えるのもひと苦労で、関アナでも「もう難しいです! 一言一言を全部切っていかないとしゃべれないですね」と吐露した。

その上、この日の大阪は雪が舞う寒さの中、屋外のカンテレ玄関前で撮影。朝一番でただでさえ口が回らない環境のはずだが、関アナはコートも着ずに、プロの技でどんどん撮り進めていく。上着を羽織らないのは、赤いスーツを披露するため。赤色は中国では縁起のいい色とされ、春節では赤を身につける習わしとなっているのだ。

この赤いスーツは、かつて番組でスタイリストが選んだもので、「すごく顔映りが良くて、『華やかで似合ってるよ』と言ってもらえたので」と買い取ったのだそう。しかし、あまりの派手さに「知人の結婚式で1回着ただけで、ほとんどタンスの肥やしになっていたんです」と出番のない状況だったが、「春節のお祝いなので、この赤いスーツで絶対出たいと思いました。スーツも喜んでいると思います(笑)」と、見事に役目を果たすことになった。

■48歳男性とは思えぬ美肌の秘けつ

続いての撮影は、岡安アナが登場。48歳男性とは思えぬ美肌の持ち主に、こだわりのスキンケアを関アナがインタビューするという内容だ。

メイク室にいる岡安アナに直撃し、番組本番前のスキンケア術を聞いていく。岡安アナは洗顔にもこだわっているということで、その様子から紹介することに。ポイントは、洗顔フォームに「砂糖」を混ぜるというまさかの方法。洗面台に移動してスマホ特有の縦画角に試行錯誤しながら実演してみせた。

その他にも、様々なスキンケア知識を伝授しているので、国籍・性別を問わず、誰もが参考になるパートになっている。

撮影を終えた岡安アナは「我々の持つイメージの撮影は、大きいなバズーカ砲のようなカメラを持って、音声さんがいて、照明さんがいてという形なのですが、スマホ1台でこんなにお手軽にできるんだということに驚きました」と感想をコメント。

さらに、中国に向けた配信という点でも、「アナウンサーというのは、母国の言葉で母国の人たちに分かりやすくニュースを伝えるのが仕事だと思っていたので、今回のお話は驚きましたし、言葉が通じない不安もあり、楽しみでもあるという感じです」と心境を明かした。

スキンケアにこだわることになったきっかけを聞くと、「アナウンサーという画面に出る仕事は、自分の顔を鏡でチェックする回数が、他の職業の方よりおそらく多いと思うんです。そうなると老化を実感するのですが、我々は本番前にメイクを施しますから、やっぱり肌に負担がかかってしまう。これを放っておいたり、十分に落としきらなかったりすると、どんどん肌が老化していくと言われまして、そこから目覚めました」とのこと。

現在は『29歳に見える55歳のプチプラコスメ』といった著書で知られるトータルビューティースタイリスト・奥田千鶴氏を「美容の先生」と仰ぎ、スキンケア術を磨いているそうだ。