迫力ある魚の群れを“画用紙”で表現したペーパークラフト作品が、まるで生きているような躍動感です。「素敵ですわぁ」「素晴らしい作品」とTwitterで注目を集めています。

  • 『磯の帝王』

紙を材料にした水辺や水中のジオラマをTwitterで発表している「1031(いちまる)」(@Itimaru1031)さんの作品。テーマは、「クエ」と「キンメモドキ」の群れです。

クエはスズキ目スズキ科の魚で、大きなものだと体長1.5メートル・重量60キロにもなるそうです。一方のキンメモドキは体長約6センチの小さな魚で、岩礁やサンゴ礁に生息して普段は群れを作っている魚です。

すごい数のキンメモドキの群れの中から「グワーッ!」と突然あらわれたようなクエは迫力満点。まるで多くの配下を従えた“王様”のようにも見えて、思わずハハーッとひれ伏してしまいそうになります。

今回は1031(いちまる)さんに、作品を作ったきっかけなどについてお話を聞きました。

――こちらの作品を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

これまで作ったことのなかった、大規模な”魚の群れ”の再現に挑戦したいと思ったからです。水中をテーマに、生命感や躍動感のある作品作りを目指すうえで、群れの表現は避けては通れないと思っていたので、完成度の高い作品になって自分自身とても満足しています。

ーーこだわった部分や苦労した点はありますか?

平面ではなく立体的な群れを演出したところです。今回の作品では、数匹の魚のかたまりを前後に配置することで立体感を出すことができたと思っています。

苦労した点も同じく群れの表現方法です。私は、浮遊感や躍動感を出すために、支柱や吊り糸のような"現実世界では不自然なもの"を使わないという縛りを設けています。

この作品は群れを再現するということで、支柱などを使わずにたくさんの魚を配置する必要がありました。今回は海藻を複数利用して葉部分に魚を接着することで、立体的に魚を配置しました。

ーー本作品以外にも紙を使った多くの作品を手掛けていますが、ペーパークラフトの魅力について教えてください!

紙そのものの質感の違いを作品に反映できることが、紙創作の魅力だと思います。一口に紙といっても和紙・洋紙など、種類をはじめ様々な特徴があり、それによって質感も変わります。今回の作品では厚めの紙を使うことで岩の質感を出したり、他の作品では極薄の和紙を使うことで透明感を出したりしています。

ーー作品に反響が寄せられています。

とても嬉しいです。普段は2週間程度で作品を完成させるのですが、今回は約200匹の魚を用意する関係で、製作期間に数カ月かかりました。その分、反響が大きかったことは大きなモチベーションになりました。今後も水中世界の魅力や躍動感を伝えられるような作品作りを目指していきたいです。


1031(いちまる)さんは他にも、和紙とティッシュで作ったネコザメが主役のジオラマや、極薄和紙で作ったミズクラゲなど海の生き物をテーマに作品を公開しています。気になる人は、ぜひのぞいてみてくださいね。