価値観が激変、令和時代の理想の男性像

近年、男性の脱毛ブーム、男性用化粧品のシェア拡大など、男性の美容に対する意識が上がっています。私が総院長を務める男性専用の医療脱毛クリニック「レジーナクリニック オム」や美容皮膚治療専門の「エトワールレジーナクリニック※新宿院に限り男性も施術可能」にも、会社員の方など年代問わず多く来院されています。

ひと昔前は、日焼けした浅黒い肌で体毛もしっかりあるワイルドな印象こそ、モテる男の条件でした。しかし、ジェンダーフリーの流れに乗って、モテる男の条件が「透明感のあるなめらかな肌」に変わりつつあります。ビジネスの場でも、手入れされたトラブルのない肌は自己管理ができる人という印象を与えられ、清潔感が信頼感にもつながります。

  • 肌の印象でビジネスも変わる?

クリニックには40代以上の男性患者さんも少なくなくありません。シミやたるみ、シワの治療のほか、コロナ禍のマスク生活で肌荒れに悩む患者さんも多いです。そこで今回はクリニックで対処できることや、日常生活でできる肌ケアをお伝えします。

シミを作らない方法

40代はシミができてくる年代。紫外線が肌のメラノサイトという色素細胞を活性化し、メラニンが発生します。メラニンが長年蓄積することで、やがて肌表面にシミとして現れます。できてしまったシミには美容医療のレーザーが即効性のある対処法ですが、日頃の日焼け止めやスキンケアで予防できます。

冬に室内にいても、窓際にいれば紫外線は降り注いでいるので1年を通して日焼け止めは必要です。スキンケアは、ビタミンC誘導体やコウジ酸、アルブチンなどの美白有効成分が入っているものを選びましょう。

また、シミは紫外線を原因としますが、見た目が似ている「肝斑」やイボの一種である「脂漏性角化症」の場合もあります。クリニックなら最初に診察しますし、医師はもちろん解剖学を学んだスタッフが対応するので、シミ取りに限らず安心して肌悩みを解決できますよ。

モテるシワは残して、モテないシワを消す方法

眉間やおでこにできるシワ。表情のクセによって折り紙のように皮膚が折り畳まれ、跡がくっきり残ります。若い頃の肌はこんにゃくのように弾力があるので、折り畳もうとしても跳ね返され、シワはできません。

これは肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンが豊富なため。加齢によって肌の水分量が減るので、肌はこんにゃくから紙のような質感に変わり、シワが深く刻まれます。できてしまったシワはボトックス注射などで治療しないと治せませんが、スキンケアで肌のハリを保てば進行を遅らせることはできます。また、表情のクセを直すことで気になる部分のシワを防げます。

シワといっても、できる場所によって印象はさまざま。眉間や額のシワは不機嫌な印象を与える一方、目尻のシワは優しい印象を与えます。無表情でいるより、思いっきり笑って目尻のシワは気にせず、眉はひそめないように心がけましょう。

おじさん人相をつくるたるみの防ぎ方

30代後半頃からたるみの予兆は見え始め、見た目年齢に大きな差が出てきます。頬の毛穴が目立つ、ほうれい線が長く深くなった、上まぶたが重いなどは、たるみ始まったサイン。やがて口角が下がり、フェイスラインがもたつきます。

たるみは、肌の真皮の弾性線維の量と質が低下することが原因。さらに、筋肉や脂肪が痩せたり、骨が萎縮したりという要因も加わり、加齢によって避けられない面があります。真皮のダメージは紫外線によるものも大きく、日焼けをしてきた人ほどたるみの進行も加速します。

セルフケアとしては美顔器や表情筋トレーニングであれば、リンパが流れてむくみが取れるので、一時的ではありますがリフトアップ効果があります。

しかし残念ながら、スキンケアでたるんだ肌をリフトアップすることは難しく、高い効果と持続性を目指すなら、クリニックでの「ウルセラリフト」の施術や「ヒアルロン酸」の注射など美容クリニックでの施術を検討するのもいいでしょう。

肌の老化を防ぐ生活習慣

肌の不調は医療の力を頼るだけでなく、生活習慣にも気を付けることも大切です。

ストレスや不規則な生活、加齢により体内に活性酸素が増えると、病気や肌の老化の原因に繋がります。食事は栄養バランスに気を配り、ビタミンやミネラル、抗酸化物質などの不足しがちな栄養はサプリメントなどで補いましょう。ストレスを溜めず、睡眠は最低でも6時間とり、ウォーキングからでもよいので運動を心がけましょう。

男女問わず加齢により肌の油分や水分量は減って乾燥肌に傾くので、スキンケアは若い頃よりも入念に行いましょう。

肌がベタつく=うるおっていると勘違いされがちですが、学生時代よりも皮脂の分泌量は格段に減っているはずです。さらに、ヒゲ剃りやマスク着用によっても肌への摩擦で乾燥が進んで肌のバリア機能が衰えます。べたつきを恐れて保湿をしないことで、肌が自らを守るために過剰に皮脂を分泌し、ニキビなどの肌あれを起こす悪循環に陥っていることも。

洗顔で汚れをしっかり落とした上で、化粧水で肌に水分を与え、乳液(秋冬など乾燥する季節はクリーム)の油分で肌に蓋をします。トラブルのない肌はまず保湿から。これからの季節、外気も乾燥するので、しっかり保湿をしながら肌の悩みに合う対策を始めてみてください。

著者プロフィール:木村真聡(きむら・まさと)

美容皮膚科医。大阪大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院・一般病院勤務を経て美容医療の道へ転身して10年以上のキャリアを持つ。医療脱毛専用の「レジーナクリニック」をはじめとしたレジーナクリニックグループ総院長を勤めている。2020年に開院した美容皮膚治療専門の「エトワールレジーナクリニック」では、2022年より新宿院に限り男性の施術も開始。以降性別問わず多くの患者様にご愛顧いただいております。