ここ数年、中古車の価格高騰が続いていましたが、中でも「旧車」と呼ばれる希少なクルマは価値が急激に高まっており、一部のクルマには値札を見ただけで卒倒しそうになるプレミア価格が付いています。まさに「旧車バブル」と呼ぶべき状況ですが、カレント自動車は状況が変わりそうだと見ているようです。以下、同社の分析です。

  • 旧車イベントのカルマンギア

    旧車バブルはもうすぐ終わる? カレント自動車の分析は

旧車高騰の理由は?

旧車の価格はここ数年で著しく高騰しており、新車価格の2~3倍にあがったものがあれば、プレミア価格がついている車種もあります。原因としては、コロナ禍で富裕層のお金の使い道に変化があったことが考えられます。

コロナウイルスの感染拡大により、以前にも増して裕福になった富裕層は一定数います。旅行に出かけたりしてお金を使うことが難しい状況の中、骨とう品や美術品、時計、自動車の購入に資金を充てる富裕層は増えました。需要の高まりにより自動車の価格は高騰し、中でも希少性の高い旧車の価値が上がりました。

もちろん、半導体や部品の供給不足による新車供給の滞りや、電気自動車(EV)社会の到来に向けたガソリンエンジン搭載車(特にマニュアル車)の駆け込み需要も旧車高騰の要因だと考えられます。

旧車バブルは弾けそう?

コロナ以降、価格の上昇が続いていたラグジュアリーなアイテムで価格の下落が始まっています。例えば高級腕時計に関しては、すでに価格相場が下降しています。需要が低下する一方、供給量が増えてきていることも大きく影響しているようで、スイスからの海外向け輸出量は2022年6月時点で対前年比6.9%増、2022年全体では前年比11.9%増加しています。

ここへきて新車供給が回復してきたことから、現在は中古車市場でも、需要のあった高年式の車両から相場が下がり始めており、価格上昇が続いていた旧車の相場も停滞しています。

直近のデータを参考としてお伝えします。高年式といわれる2020~2023年式の中古車で2022年12月上旬と2023年1月の相場を比較してみると、メルセデス・ベンツ「Cクラス」(C220d アバンギャルド AMGライン)で-17%、マツダ「CX-8」(XD Lパッケージ)で-12.2%、トヨタ自動車「ランドクルーザー300」(ZX)で-4.75%の価格変動がありました。

  • マツダ「CX-8」

    日本でも高年式な中古車の価格が下がり始めている(写真はマツダ「CX-8」)

また、中古車需要が新車の倍以上あるアメリカでは、中古車販売大手のカーバナ(CARVANA)の株価が大幅に下落しています。新型コロナウイルス流行初期に急激に株価が高騰し、一時期370ドルにまで上がった株価は、2022年12月には3.95ドルまで落ち込みました。なんと99%もの下落です。

日本国内の新車・中古車需要の割合は7:3で新車が多くを占めていますが、アメリカでは真逆の新車3:中古車7の割合となっています。世界最大級の中古車マーケットの変動は、日本として対岸の火事とはいえません。アメリカの中古車価格の指標であるマンハイム指数も、直近1年で大きく変動しています。2022年1月には257.5だった数値が12月には219.3にまで下降。14.9%も落ち込んでいます。