12月15日、住宅設備大手のLIXILの本社(東京・品川)にて、同社のアルミリサイクルに関する取り組みと、低炭素形材の新シリーズに関する記者説明会が開催。新しいアルミ形材「PremiAL(プレミアル)R70」と、「PremiAL R100」の展開について発表した。

  • 同社が活用しているアルミリサイクル材の一例。資材供給ルートを構築し多種多様なアルミ資材を安定的に入手している

同社は、脱炭素・資源循環社会の実現に貢献するため、さまざまな取り組みを積極的に推進。住宅用建材、ビル用建材の原料として多く使用されるアルミ資源のリサイクルに関する課題と向き合っている。

  • 同社が活用しているアルミリサイクル材の一例

そんななか、原材料の70%にリサイクルしたアルミを使った新しいアルミ形材「PremiAL(プレミアル)R70」の展開をスタート(2022年12月より)。そして、2023年秋にはアルミリサイクル100%の「PremiAL R100」も発売予定だと発表した(※いずれもビル向け建材から開始)。

  • 同社執行役専務 LIXIL Housing Technology(LHT)の担当・吉田聡氏と、材料事業部長の池上直樹氏が登壇

同社は、これらの普及を通じて、建築物の資材調達時に排出されるエンボディードカーボン(※資材調達時の他、製造・輸送・加工・建築・解体などの過程で生じるCO2排出量のこと)を削減し、建建物の環境価値向上に貢献していく考え。同社材料事業部長の池上直樹氏は「しっかりと普及させ、アルミリサイクル率100%へ挑戦していきたい」と話している。

ちなみに、アルミリサイクル材の鋳造時のCO2排出量は、新地金を精練する際のわずか3%程度であり、アルミ製造時のCO2排出量を97%と大幅に削減。また、アルミリサイクル100%では、CO2を年間約100万トン(※家庭からのCO2排出量約25万世帯分 ※温室効果ガスインベントリオフィス/全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト調べ)削減できる。

  • 新しいアルミ形材「PremiAL R70」「PremiAL R100」

同社は、独自の資材供給ルートの構築と、不純物除去をはじめとした独自のリサイクル技術の開発により、新地金材と同等の、最終製品に求められる品質、生産性を維持しながら、業界トップクラスのアルミリサイクル率を実現。さらに、リサイクルアルミ形材を対象に、改めてLCA(ライフサイクルアセスメント)を実施。「エコリーフ環境ラベル」を取得し、低炭素形材を商品化したという。

  • 横から見るとLIXILの文字が! 新資材「PremiAL R70」「PremiAL R100」

軽量で加工性が高いアルミの需要は世界的に拡大中で、その広がりは今後も続く見込み。同社執行役専務 LIXIL Housing Technology(LHT)の担当・吉田聡氏は、「CO2の排出を大幅に削減することができるアルミリサイクル材の活用は重要なテーマだ」と話している。