東京メトロとJR東日本は15日、無線式列車制御システムの導入推進に向け、協力して検討を進めていくと発表した。両社は無線式列車制御システムの導入推進に向け、2020年6月に覚書を締結し、検討を重ねてきた。

  • 東京メトロとJR東日本が無線式列車制御システムの導入推進に向けて協力し、検討を進めると発表

両社は将来に向けた無線式列車制御システムの標準仕様を検討するなど、導入のスピードアップや開発コストの軽減、スマートな事業運営をめざしていく。今後は、より大きな相乗効果を生み出すため、鉄道事業者間の連携拡大をめざす。

東京メトロはこれまで、2018年度に丸ノ内線の一部区間(中野坂上~方南町間)で無線式列車制御システム「CBTC」の安全性評価を行うため、仮設設備での試験運転を実施。2022年度から丸ノ内線の四ツ谷~荻窪間で実運用に向けた本設備での走行試験を営業線運転終了後に開始しており、2024年度に丸ノ内線全区間で導入を予定している。

  • 無線式列車制御システムの概要

JR東日本はこれまで、2011年度に仙石線(あおば通~東塩釜間)、2017年度に埼京線(池袋~大宮間)で無線式列車制御システム「ATACS」を使用開始。2020年度から小海線(小淵沢~小諸間)で地方交通線向け無線式列車制御システムの使用を開始した。現在、山手線や京浜東北線の一部区間(東神奈川~大宮間)で「ATACS」導入に向け、検討中とのこと。