1869年に熊本で創業して以来150年以上の歴史を持つ調味料メーカー「フンドーダイ」は12月12日、かっぱ橋に初のアンテナショップ「出町久屋(でまちひさや)」をオープンする。
出町久屋は、「フンドーダイ」が製造・販売している新商品の紹介や、商品の食べ方の提案、さらに熊本の食を紹介するアンテナショップ。
浅草合羽橋エリアは料理の職人が集う街であり、外国人観光客も多いことから海外へ向けた発信の場所としてもマッチすると考え、出店に至ったそう。
熊本の醤油といえば、甘みの強い味わいが特徴。海外の人からすると白米と一緒に食べることを前提とした日本食は「塩辛い」という印象が強いこともあり、熊本の甘い醤油を発信することで「甘み=旨みである」を伝えたい、と同社の山村脩 代表取締役社長は話す。
大人気商品の「透明醤油」
「フンドーダイ」の商品で特に有名なのが2019年2月発売の「透明醬油」(100ml/540円)だ。食材の色をそのまま生かすことができるうえに、こぼしても目立ちにくいことから大ヒット商品に。
透明醤油は6か月熟成させて製造した醤油から特殊な技術で色を抜いたもの。小麦を主原料とすることで薄い色味に仕上げた「白醤油」と比べても旨みが強いのが特徴だ。
そんな透明醤油の新シリーズとして、お正月などおめでたいシーズンにもぴったりの「金箔入透明醬油」(100ml/840円)も。
透明醤油を使用することで、食材の鮮やかな風合いはそのままに味付けをすることができるということで、7日に報道関係者向けに行われたプレオープンでは透明醤油が素材の色味を邪魔しない、すべて金色の「黄金のおせち」がお披露目された。
そのメニューは、金の出汁巻き卵、金のいくら(やまめの卵)、金のねじり梅人参、金の西京焼き、金の伊勢海老入柚子釜、金の筍、金の数の子、金箔入り水饅頭(金柑甘露煮)、金の栗きんとん……。醤油味がしっかりとするものの、これだけ華やかに仕上がるのは透明醤油のおかげ。今年のおせちは透明醤油で大胆に華やかさを追求するのもいいかもしれない。
新作はトリュフ入り! ぽん酢や煎り酒も
他に注目は「透明醤油でつくったトリュフ醬油」(100ml/840円)。
透明醤油をベースに、香り高い黒トリュフと白トリュフの粒を両方入れている。白トリュフは常温で香り、黒トリュフは温めると香ることから、冷温どんな料理にも合う。醤油の旨味とトリュフの香りが芳醇で、パリの展示会でも好評だったという。たまごかけごはんやリゾットなどに少量かけると高級感がアップ!
「透明醤油でつくった柚子舞うぽん酢」(100ml/540円)は、柚子の果肉入りなのがポイント。こちらも食材の色味を邪魔しないことから、様々な活用方法が考えられそう!
「特醸甘口醤油 平成」(100ml/540円)は、甘さの理由は原料に使用されている「和三盆糖」で、ベタベタとした甘さではなくさっぱりとした甘さに仕上がっているのが特徴。さらに熊本の地酒の赤酒を使用していることからコクがあり、煮物などにも良い。
「煎り酒」(100ml/540円)は室町時代に考案されたとされる醤油のルーツともいえる調味料。日本酒と梅酢と鰹節を煮切ってつくる伝統の万能調味料だ。梅酢を使用しているため、梅の酸味と塩味のバランスが良く、そうめんや白身魚につけて食べるのも美味しい。同商品は「調味料選手権2022」日本の伝統調味料部門で最優秀賞を受賞したという自慢の一品。
1000日かけて製造した店舗限定商品
出町久屋限定商品「千日醤油」(100ml/1,080円)は一般的な醤油が6か月間で製造するのに対し、1000日かけて製造したもの。醤油は製造工程で原料をどんどん分解・発酵していき、ピークを越えると酸化が始まるが、その美味しさのピークとなるのが1000日ということで開発された商品だ。一般的な醤油では必ず行う「火入れ」を行っていないため、「搾りたての生」の状態ということもあり、フレッシュな味わいが特徴。
出町久屋では、これらの商品を好きな組み合わせで箱詰めできるギフトセットなども販売しており、これから迎える年末年始の贈り物にもぴったり。今年のお正月はちょっと良いお醬油で食卓を華やかに彩ってみてはいかがだろうか。