イヌやネコの殺処分ゼロを目指す「公益財団法人どうぶつ基金」は、佐賀競馬場に生息するノラ猫60匹に不妊手術、ワクチン、ノミダニ駆除を無料で施す。一斉手術は12月8日に福岡県みやま市の「どうぶつ基金病院」で行われる。

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佐賀競馬場では、敷地内の厩舎に野良猫が60匹ほど住みついているという。厩舎によっては置きエサを設置しているところもあるため、毎年繁殖を繰り返しており、猫の糞尿等で困っていた。これ以上頭数を増やさないためにも地元ボランティアと協力しながら、どうぶつ基金の「TNR地域集中プロジェクト」事業を活用し、野良猫問題を解決したいと、鳥栖市が「どうぶつ基金」に全頭不妊手術を要請。「どうぶつ基金」はこれを受諾し、60匹の一斉不妊手術、ワクチン投与、ノミダニ駆除を行う運びとなった。

猫の捕獲や保護は地元ボランティアが職員と協働して行い、競馬場から病院までの運搬は競馬馬用の安全な運搬専用車で行う。

「どうぶつ基金」の佐上邦久理事長は「公設市場や公園、公営住宅などで猫が繁殖した場合、行政から申請があり、捕まえて不妊手術をして元いた場所に戻すという『さくらねこTNR(ティーエヌアール)』が行われていますが、競馬場からの不妊手術要請は日本初(※)です。今回が良き前例となり、全国の競馬関係者の皆さんも馬さんもネコを優しく見守ってともに生きてほしい」と、全国の競馬場での馬、猫、ヒトの共生を訴えた。

スケジュールは、捕獲が12月7日まで(佐賀競馬場厩舎周辺)、無料不妊手術は12月8日にどうぶつ基金病院にて行われる。
※財団調べ/2022年11月現在「日本の競馬場でのノラ猫の一斉TNR」として