パナソニックは11月30日、「エアコン暖房利用者の設定温度と室内温度」に関する調査結果を発表した。同調査は10月~11月中旬、パナソニックエオリアユーザーのデータを元に、暖房利用者の平均「設定温度」 を分析した。

  • 2022年エアコン暖房利用者の設定温度

暖房利用が増加し始めた10月~11月中旬の期間、暖房利用者の平均「設定温度」を分析したところ、「25℃」(15.4%)が最も多かった。続いて、「23℃」(15.3%)、「24℃」(14.6%)となり、22℃~25℃がボリュームゾーンであることがわかった。

エアコンを使用した結果としての部屋の室温を表す「室内温度」についても分析した。エアコンは室内機内部のセンサーで温度を測定しているため、「設定温度」と実際の「室内温度」が異なっているケースもあり、家の構造や日当たりなども影響している。中には、エアコンのお手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあるという。

同期間内の平均「室内温度」は22℃で、環境省の提示する「20℃」よりも高めであることがわかった。今年の暖房利用状況を見ると、「設定温度」がやや高めになっており、同時に「室内温度」も推奨の温度より高いことがわかった。

パナソニックのエアーマイスター・福田風子氏は、エアコンの電気代を節約する5つのTipsを紹介している。

1点目は「エアコンのフィルター掃除」。1年間掃除をしない場合は掃除をした場合に比べて、年間で約25%も電気料金がムダになるという。この場合、フィルター掃除をすることで年間約1万円以上も電気代を節約できるとのこと。

2点目は「湿度と温度をコントロール」すること。同じ設定温度でも、湿度が上がると体感温度が上がるため、加湿を心がけるとよいという。環境省によると、冬の暖房時に1℃低くすると約10%の消費電力が削減されるため、湿度を上げて設定温度を下げると節電にもつながる。

  • 湿度と温度をコントロール

3点目は、「熱が出入りしやすい窓は、断熱性を上げる工夫をする」。室内の熱は、窓からの出入りが最も多いので、断熱シートや断熱カーテンを利用して熱が逃げない工夫が大事だという。

  • 熱が出入りしやすい窓は、断熱性を上げる工夫を

4点目は、「サーキュレーターで室内の温度ムラをなくす」。暖かい空気は上へ移動するので、サーキュレーターで室内の空気を循環させることもすすめている。

  • サーキュレーターで室内の温度ムラをなくす

5点目は「室外機の環境も定期的にチェック」。室外機にホコリや落ち葉などのごみがたまると、熱交換の効率が下がり、消費電力アップにつながる可能性もある。特に風の強い日や台風が過ぎた後にはチェックが大事とのこと。

「つけっぱなし」と「こまめに消す」運転のどちらが電気代が得かを、冬の暖房使用についてパナソニック独自のアルゴリズムを用いて比較した。

暖房使用時において、住宅の断熱性、室内熱負荷などの環境によるものの、外気温が3℃未満のような厳しい寒さの場合は、室温が大きく下がりやすく設定温度に戻すために多くのパワーが必要となるため、「つけっぱなし」運転がお得だという。一方で、3℃以上であれば、室内温度がそこまで下がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることがわかった。

  • 30分間の外出を1日2回、1カ月間行った際のエアコン稼働における電気代の差異

加湿器を使用する場合は、エアコンの風の通り道になる場所に置くのがよいという。加湿機からの加湿された空気を、エアコンの風に乗せて部屋中に行きわたらせるイメージで、加湿機から吹き出す空気にエアコンの風が当たる場所に置く。湿度センサーの誤認を避けるために、加湿する機器本体に直接エアコンの風があたることがないように置くことも大事だという。

  • 加湿空気清浄機の場合

加湿空気清浄機は、エアコンの風とぶつかってしまうとお部屋の空気の循環の妨げとなってしまうため、ぶつからないように対面や対角線の壁に、加湿機の場合はエアコンの下に置くと効果的とのこと。

また、超音波式やスチーム式は床に直接置かないこと、​結露防止のために窓から離すことも重要だという。