「昭和レトロカー万博 2022」の会場で、大勢の人に囲まれるちょっと変わったクルマに出会った。見覚えのある青と白のカラーリング……もしかして、ドラえもん? 近づいてみると、BMWのマイクロカー「イセッタ」だ。なぜ、こんな色なのか。持ち主さんに話を聞いてみた。
イセッタはBMWの救世主?
イセッタはBMWが1955年から1962年にかけて作っていた小さなクルマ。当時のBMWは経営危機に陥っており、事態を打開するために何か新しいクルマを発売したいと思っていたところ、イタリアのイソという会社が作っていた「イソ イセッタ」に出会い、このクルマのライセンス生産を始めたそうだ。ちなみにBMWのHPによると、イソというのは小さなクルマと冷蔵庫を作る会社だったとのこと。いわれてみれば、フロントにあるドアがガバッと開くイセッタは冷蔵庫に似ていなくもない。ライセンス生産を始めた最初の年に約1万台が売れるなど、イセッタは大人気となったらしい。
なぜイセッタをドラえもん仕様に? 持ち主に聞いてみると、このイセッタはもとからこんな色だったそうだ。前の持ち主は「ドイツのおじいさん」だったとのこと。その方がBMWカラーに塗ったのかもしれない。青と白のイセッタをイベントなどで展示すると、子どもたちから「ドラえもんだ」との声がかかる。それならいっそ……ということで、現在の持ち主さんがドラちゃんに寄せていったのだという。
協力:昭和レトロカー万博実行委員会