気温が下がり、乾燥が気になる季節。スキンケアをしているはずなのに、肌がガサガサしたり、つっぱったり、なかなか改善しないことも。実は毎日のスキンケアが肌をより乾燥させているかもしれません。乾燥が気になる肌にNGのスキンケア、正しいスキンケア方法を名古屋大学医学部附属病院皮膚科医の竹内想先生にお伺いしました。
寒くなると肌が乾燥するのはなぜ?
寒くなると湿度が下がり、空気が乾燥することで肌からの水分が奪われやすくなります。さらに気温が下がることで、血行が悪くなり肌への栄養が行き渡りにくくなってしまいます。そのため、肌のバリア機能がダメージを受けやすくなり、乾燥が気になる、肌がむずむずする、かゆみがでるという症状に悩まされている人が増えるのです。
乾燥している肌にNGなスキンケア
熱いお風呂に入る
皮膚にある角層・表皮は水分の蒸発を防ぐ作用や外部からの異物から生体を保護する機能を持っています。長時間の熱いお風呂への入浴によって、皮膚バリアが脆弱化してしまう可能性があるため、40℃以下のお風呂に入浴することが妥当と考えられます。
タオルでゴシゴシと強い力で体を洗う
タオルで体を擦りすぎることで、角層にダメージを及ぼし、皮脂欠乏性湿疹やタオルメラノーシスなどの疾患を引き起こすことがあります。泡立てネットなどを用いて優しく洗う方が、肌にとっては優しいスキンケアになると考えられます。
刺激の強いスキンケア用品を使う
刺激の強いスキンケア商品を利用することで、皮膚が炎症を起こしてしまい接触皮膚炎と呼ばれる状態になることがあります。この場合適切な強さのステロイド外用薬を用いた治療が必要になります。肌の状態に合わせた適切なスキンケア用品を探し、使うことが重要と考えられます。
乾燥している肌におすすめなスキンケア
肌に合った保湿を行う
肌に必要な水分を外部から補給するため、とくに入浴直後に保湿を行うことは必要と考えられます。時間が経つと水分が蒸発してしまうため、なるべく早いタイミングで保湿を行うことがよいでしょう。
紫外線対策を年中行う
紫外線は夏にとくに強くなりますが、一年中降り注いでいるため年間を通じて日焼け止めや日傘、長袖の服などを活用した紫外線対策が有用であると考えられます。車や電車のガラス越しにも紫外線の影響があるため、徒歩でなくても紫外線対策は必要です。
医師からのコメント
毎日の保湿および紫外線対策を行うこと、1日6~8時間を目安とした適切な睡眠時間を確保すること、日々の運動習慣を身につけること、バランスのよい食事を心がけてストレスのたまらない生活をすることが身体的および精神的な健康に重要であると考えられます。 全てを実行することは難しい場合も多いですが、自分の日々の生活を見直し取り入れることが可能なものから取り入れていただくのがよいでしょう。
監修:竹内 想(たけうち そう)先生
名古屋大学医学部附属病院。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積みました。現在は主に皮膚科医・産業医として勤務しています。
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