小林製薬は10月12日、「更年期後不調」に関する調査結果を発表した。同調査は9月、20~69歳の女性を対象に、インターネットで実施した。

  • 「年齢に伴う女性ホルモン(エストロゲン量)の変化と不調」出典:小林製薬「命の母」ブランドサイト

女性は生涯にわたって、女性ホルモンの影響を受け続ける。初潮・妊娠・出・閉経・さらにその後に至るまで、女性ならではのからだの仕組みをコントロールするのは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる2つのホルモンである。

30代後半~40代前半のプレ更年期になると、卵巣機能の低下によりエストロゲンが減り始め、人によっては月経トラブルが増えたり、体調不良や情緒不安定など更年期と同じ症状が出始める。

40代半ば~50代半ばになると、卵巣の活動が停止し、月経が全く起こらなくなる"閉経"が訪れる。その閉経前後の10年間のことを更年期といい、エストロゲンの分泌が減少するだけでなく、乱高下して大きく乱れることで更年期障害といわれるほてりや発汗、イライラなど様々なからだの不調が起こる。

更年期特有の症状が治まっても、閉経後の慢性的なエストロゲンの不足により、身体と心にさまざまな変化が訪れる。55~69歳の更年期後の女性1,987人を対象に、更年期後の女性が感じる身体の不調について尋ねたところ、「肩こり」「腰痛」「寝つきが悪い、眠りが浅い」といった回答が多く寄せられた。更年期障害の主な症状であるほてり、気分の落ち込みなどの症状は減り、別の不調が現れることがわかった。

  • 更年期後の女性が感じる身体の不調 出典:小林製薬調べ(WEB調査/2022年9月実施/55~69歳の更年期後の女性N=1,987)

更年期後不調の出現率を調べると、23.4%は「肩こり・腰痛・冷え・重だるさの症状がある」と答えている。

  • 更年期後不調の出現率 出典:小林製薬調べ(WEB調査/2022年9月実施/20~69歳女性N=20,000のうち55~69歳女性N=5,703)

同社によると、更年期後不調のメカニズムは慢性的なエストロゲン欠乏にあるという。エストロゲンが欠乏すると、血流不足や骨・筋肉組織の衰えによる筋骨量の低下により、肩こりや冷えなどが引き起こされる。

昔の女性は、閉経する50歳頃に寿命を迎えていたが、今の女性の平均寿命は85歳を超えている。現代の女性は閉経から30~40年もの長い時間を生きるため、更年期、更年期後に現れる不調と向き合い、適切に対策を行っていくことが大切であるという。