鉄道・運輸機構は21日、走行安全性や耐震性、経済性、維持管理性に優れた「補強盛土一体橋梁」を西九州新幹線の7橋で採用したと発表した。

  • 西九州新幹線諫早~長崎間にある原種架道橋

「補強盛土一体橋梁」とは、橋梁を構成する桁・支承部・橋台壁・盛土といった各部分を一体化した橋のこと。建設コストや維持管理コストのの削減、耐震性向上、盛土の沈下防止、走行安全性の向上などの効果があるという。これまで新幹線での採用実績は1カ所(北海道新幹線1橋)だったが、西九州新幹線で本格的に導入されたことになる。

また、西九州新幹線に7カ所ある「補強盛土一体橋梁」のうち1カ所は、40mまでの架橋に対応できる「長スパン用補強盛土一体橋梁」を初めて実用化した。

  • 原種架道橋は「長スパン用補強盛土一体橋梁」を初めて実用化した橋梁

鉄道・運輸機構によれば、従来の「補強盛土一体橋梁」の桁は長スパンに適さない鉄筋コンクリート(RC)構造であり、長さ20m以下の片側1車線の道路の交差部などに限定されていたという。今回開発した「長スパン用補強盛土一体橋梁」は、あらかじめ鋼材を通じて力を加えたプレストレストコンクリート(PC)構造とするなど、新たな技法の採用でスパン40mまでの架橋を可能にした。