クラシコは9月15日、「ふしぎなナース文化に関する調査」の結果を発表した。同調査は4月~7月、全国の病院・クリニックに勤務している20代~50代の看護師の男女400名、看護管理者(看護師長以上)25名、20代~70代の病院利用者400人を対象に、インターネットで実施した。

  • 議論しよう。11の「#ふしぎなナース文化」

看護師に、「働く病院で、疑問や不満に思っているルール・慣習」について聞いたところ、「髪色は明るくしてはいけない」「靴下・下着は白でなければいけない」「ナースステーションでは水分補給できない」「患者の前でのカーディガンはいけない」「髪を結ぶシュシュやヘアゴムは、黒や茶など地味な色でないといけない」といった11の「ふしぎなナース文化」が集まった。

看護師に、自分の勤務する病院に存在する独特な慣習・ルールの存在意義や理由を知っているかどうか聞くと、44.0%が「あまりよく知らない」「全く知らない」と回答した。こうしたルール・慣習のせいで仕事に行きたくない・辞めたいなど労働意欲がそがれたことがあるかどうか尋ねると、39.6%が「よくある」「たまにある」と答えている。

  • 「ふしぎなナース文化の存在理由を知らない看護師の割合」「ルール・慣習のせいで仕事の意欲がそがれたことがある看護師の割合

病院利用者に、看護師から挙がった11の「ふしぎなナース文化」について、「そう思う(ルールは必要)」か「そうは思わない(ルールは不要)」かを尋ねた。その結果、全ての回答で6割以上が「ルールは不要」と答えている。11のルールの平均を取ると、平均84.4%の人が「ふしぎなナース文化」を不要と考えていることがわかった。

11の「ふしぎなナース文化」のうち、7つを身だしなみ・服装に関するルールが占めている。そうした身だしなみ・服装を看護師がしていなかった場合、「清潔感がない・不快だと感じるか」尋ねると、23.7%が「非常に感じる」「やや感じる」と答えた。一方、76.3%は「あまり感じない」「全く感じない」と答えている。

  • 身だしなみ・服装に関するルールに従っていないと清潔感がない・不快と感じるか

看護管理者(師長以上)25名に、看護師から挙がった11の「ふしぎなナース文化」についての意見を聞くと、衛生面・患者のために必要なものもあるとの意見が多く寄せられた。意図を理解していない現場看護師が4割を超える中、現場への浸透が足りていない状況であることがわかった。

身だしなみに関しては、周りの目を意識して残されているものも多く存在している。そのため、病院ごとに規制の強さの強弱があり、独自ルール化していると考えられるという。

  • 「実は重要な理由があって必要」「リスク回避のため全面禁止」

ルールについて看護師たちと話し合ったり、意図を説明して理解を図ったりするような機会があるか聞くと、52%が「あまりない・全くない」と答えた。厳しすぎるルールの背景には「対話の不足」もあることがわかった。

  • ルールについて看護師たちと話し合ったり、意図を説明して理解を図ったりするような機会があるか

看護師に、勤務する病院内で、実際にここ数年で変えたルールはあるか聞くと、「ナースシューズは色を白とすると、汚れや血液付着がわかるので清潔を保つ意味があるが自由度を広げた」「ユニフォームは白でなければならないという院長の暗黙のルールを変えてカラーにした」などの回答が寄せられた。