「ねるねるねるね」という単語を聞いてワクワクしない人はいないんじゃないだろうか。

そう思うくらい、僕たちの記憶にねるねるねるねは刻み込まれている。粉と水を混ぜると色が変わり、練るとどんどん粘度がましていくあの不思議な感覚。他のお菓子とは一線を画した「つくる楽しみ」に夢中になった人も多いはず。

とはいえ、ねるねるねるねは基本的に子ども向けのお菓子。大人になってからはなかなか手に取る機会もなく、「なんか楽しくておいしかった思い出」だけが残っている状態であった。

そんなねるねるねるねに、なんと史上初となる「大人向け」が登場したという! 9月5日より発売されネットでも大きな話題を呼んでいる。なんでもワインっぽい香りがするらしいのだ。大のワインマニアとして、これは見逃せない!

とうか、そもそも“大人向け”ってどういうこと!? 通常のねるねるねるねとは何が違うの?

いろいろと気になることだらけなので、百聞は一見にしかず。さっそくつくって食べてみることにした。

ということで、こちらが史上初となる大人向けねるねるねるねである。なつかしい~!

……いや、さすがに僕が子どもの頃とはパッケージもぜんぜん違うのだけど、この「ねるねるねるね」という文字や、トレイに入ったカラフルなねるねるを見ると、一気に心が子ども時代のあの頃に戻ってしまうのだ。

ただ、今回は“大人向け”ということで、通常のねるねるねるねとは違う点がパッケージにもちらほら表れている。

たとえば、味わいは「赤白2種の本格ぶどう味」で、「ワインのアロマ成分入り」とのこと。あくまでもアロマ成分なのでお酒ではないのだけど、たしかにこれは完全な大人向けだ。ねるねるねるねのキャラクター「ねるね」もワイングラス片手に誇らしげである。

さらに「トッピングでスパークリング風」というところも気になる……。いったい、どんな味なんだろう?

開封してみると……

いつものトレイ! なつかしい~!

そして、謎の粉袋たち! なつかしい~!!

もはや「なつかしい」しか言っていないが、実際になつかしいという想いが突き上げてくるんだから仕方ない。

なんかニヤニヤしてしまう。

今回は、ワインをモチーフにしているからか、「白」と「赤」の2種類のねるねるねるねがつくれるようだ。粉袋の種類が多いのはそのためだ。

つくりかたとしては、通常のねるねるねるねとまったく同じである。まず、トレイからカップ部分を切り取って……。

粉袋を開けて、トレイに入れていく。経験者の皆さんには今さらな説明ではあるけれど、ねるねるねるねはこの粉を順番通りに入れていくのが重要だ。

「白」の1番の粉を入れたら、先ほどのカップ1杯分の水を混ぜて、付属のスプーンで練り練りしていく。これで、「白」の1番の粉に水を混ぜたものができあがる。

と、ここで痛恨のミス! 「白」の2番の粉のことをすっかり忘れて、先に「赤」をつくり始めてしまった。

いや、別に順番はどっちでもいいのだけど、レビュー的には「白」を先に仕上げないとわかりにくかった。すみません。

焦りつつ、「白」の2番の粉を入れる。

そして、練る。何度も練っていると、色が少し変わり、ねっとりとした手触りに変化していく。そうそう、これぞねるねるねるね、だ。

「白」が完成したので「赤」も同じようにつくっていく。もう、この時点でぶどうっぽい香りがぷんぷん漂ってくる。早く食べたい!

「赤」の2番の粉を入れて……。

いい感じ!

実際に食べてみると……。

おお……! たしかに、ちょっとワインっぽい雰囲気、あるかも……!?

何を隠そう、筆者は大のワインマニア。その感覚からいうと、そりゃあ本物のワインとはぜんぜん別物ではあるのだけど、あくまでも「イメージとしてのワイン」だと考えると、がんばって雰囲気出してるなぁと思う。

そう思いながらパッケージを見てみると、

コンコード種とシャルドネ種のぶどう果汁を使用しているんですって! どちらもワインで使われる品種で、特にシャルドネ種はフランスをはじめ、世界中で大人気のワイン用品種である。

さらに調べたところ、赤の方にはニュージーランド産赤ワイン「ピノ・ノワール」種のアロマ成分、白の方にはフランス産白ワイン「ゲヴュルツトラミネール」種のアロマ成分をブレンドしているのだとか。

あ~! なるほどなぁ。たしかに赤はフルーティーで華やかな香りに、日本のぶどう特有の甘い香りが混ざった感じがある。白はゲヴュルツトラミネールの華やかな芳香にシャルドネらしい酸味が加わっている……ような気がする。

何度もいうが、ワインとはまったく別物なので、「情報を見たからそんな気がする」レベルかもしれないが、まぁいいじゃない。ねるねるねるねのコンセプトは「知育菓子」なんだから、大人もあーだこーだ言いながら楽しみましょうよ。

それはそうと、味わいは思ったより甘さ控えめ。実は比較しようと通常のねるねるねるねも用意して食べ比べてみたんだけど、筆者の舌があまり信用ならないことを差し引いても、やっぱり大人向けの方が甘さはやや控えめな感じがある。大人向けの方が酸味があるので、そう感じるのかもしれない。

さらに、トッピングのシュワシュワ感が足されると、さわやかさが増してもっと軽やかに。これ、おいしいな。通常のねるねるねるねもおいしいけど、個人的には甘さ控えめな方が好きなこともあって、断然大人向けねるねるねるねを推したい。

そんなわけで、大人のねるねるねるね。味わいは思ったほど甘すぎず、しっかりと大人向けに調整されており、ワインっぽいフレーバーでリッチな雰囲気も楽しめる仕上がりだった。

一方で、「つくる楽しみ」については完全にあの日のねるねるねるねのまま! 粉に水を混ぜて練りながら、「そうそう、こうだったな~!」とノスタルジーにたっぷり浸ることができた。

どれだけ時がたっても、やっぱりねるねるねるねは唯一無二の存在。かつて、ねるねるねるねを楽しんだ大人の皆さん、ぜひ「大人のねるねるねるね」でワクワクしましょう!