親から家や土地を受け継いだ場合などを除いて、多くの人にとってマイホームは人生最大の買い物の一つだろう。購入の際は自己資金だけではなく、住宅ローンを組むことはごく一般的だ。
ローンを組むに際してはしかるべき審査を受け、それをクリアする必要がある。その際に注意すべきポイントや心構え、事前に備えておくべきことにはどんなものがあるのだろうか。
そこで今回は、「持ち家」に住んでいるマイナビニュース男女会員502人を対象にアンケート調査を実施。「住宅ローンの審査に関して大変だったこと」などを聞いた。
Q.あなたは住宅ローンを利用していますか? ※過去に利用したことがある場合(返済済など)は、「はい」をお選びください
「はい」(56.4%)
「いいえ」(43.6%)
Q.住宅ローンの審査に落ちたことはありますか?
「はい」(14.9%)
「いいえ」(85.1%)
Q.住宅ローンの審査に関して大変だったことを具体的に教えてください(自由回答)
■「書類の準備」
・「住宅金融公庫の融資を受ける際の書類を書く項目の多さに驚きました。たくさんの記入欄を埋めていくだけでも大変なのに、やっと書き終わり提出しても書類の不備を指摘されてしまい、やっと書いて提出しても審査が通らないことがありとても大変でした」(55歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「申請書類として、必要書類が多すぎて全てを揃えるのに時間がかかる。銀行の窓口に出向く回数も多い」(54歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「審査に必要な書類を間違えずに揃えるのが大変だった」(37歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「審査を通す為に色々書類を集めて、何回も足を運んだのは大変でした」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「必要な書類をそろえるのが大変で、手続きなどにも時間がかかって大変だったこと」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)
■「手続きの煩雑さ/時間がかかる」
・「何回もローン会社へ足を運んで書類を揃えるのが大変でした」(46歳男性/ホームセンター/販売・サービス関連)
・「会社を休んで役所に書類をもらいにいったり、団信保険の為の健康診断結果の書類を取り寄せたりするのが大変でした」(53歳男性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)
・「何回も不動産業者との打ち合わせがあり大変だった」(55歳男性/家電・AV機器/技能工・運輸・設備関連)
・「結婚式の打ち合わせと並行しながら住宅購入を進めたため、忙しかった」(33歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「平日に審査のために仕事を休まなければならなかった」(50歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「必要書類の確保や提出する等の時間の確保。及び、それらを相談する時間の確保」(53歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「夫婦共働きで、なかなか休みが取れず、書類を揃えて銀行窓口に手続きに行くのも大変だった」(50歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「書類が役所の手違いで何度も戻されたのが腹立たしかった。しかも手数料はそのたびに取られた」(54歳女性/その他/その他・専業主婦等)
■「審査がなかなか通らない」
・「通るまで結構待たされてひやひやした」(51歳女性/専門商社/事務・企画・経営関連)
・「連絡が遅くて、審査に落ちたんじゃないかとひやひやした」(46歳男性/設計/メカトロ関連技術職)
・「住宅ローンを借り換える際に何度も金融機関に足を運び、交渉中に相手からはずっと色よい返事をもらっていたが、最終的には断られ、膨大な時間や手間がすべて無駄になった」(51歳男性/政府系・系統金融機関/公共サービス関連)
・「長年給料振込をしていた金融機関で審査を落とされ、即刻その金融機関との取引をやめた。審査は新たに付き合いを始めた金融機関で通った」(51歳男性/建設・土木/営業関連)
・「希望額の借入ができなかった」(44歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「勤務先が変わったばかりで、審査が少したいへんだった」(44歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)
・「審査に通るように借金返済、整理が大変だった」(54歳男性/建設コンサルタント/建築・土木関連技術職)
■「資金や所得の不足」
・「転職後で所得が少なく、大変でした」(39歳男性/サービス/専門職関連)
・「年収が少なくて、ローン審査が通るか心配だった」(37歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
・「1回目の銀行では勤続年数を理由にローンを断られた」(45歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「個人収入が少なかったので、夫との収入合算という形で審査をクリアーしました」(49歳女性/食品/営業関連)
・「一時期、無職だったことがあり審査が大変だった」(46歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「住宅ローンを組むにあたって、借りられる限度額が問題で自己資金を確保する必要があった。そのために親から借りたり、借りる先を銀行以外に雇用保険の関係も利用した」(43歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
■「金利タイプなどの選択」
・「固定金利にするか変動金利にするか、かなり迷いましたね」(39歳女性/教育/専門サービス関連)
・「手数料が不透明で、金利が安いが手数料が高いのがあった」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門職関連)
・「銀行によって多少の金利も違えば、内容も違うので迷いました」(40歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/その他・専業主婦等)
■「大変ではなかった」
・「住宅販売会社が全部段取りしてくれたので、署名などするだけで大変だった記憶はありません」(44歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「注文住宅をお願いした不動産会社に住宅ローン探しもお願いしたので、結構スムースに借入先が決まりました」(53歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「シングルマザーだが、審査は何も問題なかった」(40歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「簡単に通りました」(48歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/販売・サービス関連)
・「自分だけの年収だと厳しかったが、パートナーと一緒にしたら大丈夫だった」(51歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「親身な不動産屋が対応してくださり助かった」(47歳女性/フィットネスクラブ/専門サービス関連)
・「大変だったことはありません。何の苦労もなくすんなり審査を通りました」(51歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「不動産屋さんがなんやかんやをやってくれたので、そんなに大変な感じはなかった」(45歳男性/クレジット・信販/営業関連)
■「その他」
・「ネット銀行で申請したので、受付窓口が分かりづらい」(42歳男性/銀行/営業関連)
・「ネット銀行の住宅ローンにしたが、担当がネット銀行が初めてで不慣れだった」(45歳男性/通信関連/IT関連技術職)
・「会社内の異動で保険証が変更した事で、転職と思われ説明した事」(43歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「給与をきかれて、もっとローン額を増やしても、と営業された」(42歳男性/通信関連/営業関連)
・「初めてことばかりだったので、何から進めればよいか分からず戸惑った」(47歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「二世帯住宅なので、親世帯との分配」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「保証料金など、現金で払わないといけないお金があることを知らなかった」(46歳女性/その他/その他・専業主婦等)
■総評
住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員に住宅ローンの利用の有無を聞いたところ、利用している人は56.4%となった。住宅ローンの利用経験者のうち、住宅ローンの審査に落ちたことはある人は14.9%だった。
住宅ローンの審査に関して大変だったことを具体的に聞いた。主な回答として、「書類の準備」「手続きの煩雑さ/時間がかかる」「審査がなかなか通らない」「資金や所得の不足」「金利タイプなどの選択」が挙げられている。
多くの人たちにとって住宅ローンを組むのは初めての経験であるだけに、必要書類の準備や各種手続きに大変さを感じている人は多い。また手続き自体の煩雑さに加え、時間を長く拘束されることが大変だったという意見もあった。とくに平日の日中になかなか時間を作りにくい会社員にとっては、時間的な制約は高いハードルかもしれない。
「審査がなかなか通らない」や「資金や所得の不足」ではローン審査に時間がかかったり、自己資金や収入の不足などによって審査が通らなかったりと、いろいろと苦労しているエピソードが寄せられている。それだけに、困難を乗り越えて審査が通った瞬間の喜びはひとしおだろう。
その一方で、「大変ではなかった」とする意見もあった。住宅販売会社や不動産会社などが代行して手続きを行なってくれ、審査もスムーズに通ったというものが多い。彼らとしても物件を販売したい一心から、できるだけ顧客のサポートをしようということだろうか。
さて、今回のアンケートはいかがだったろう。「持ち家」を手に入れた先輩たちが、住宅ローンの審査をめぐって経験した様々な困難の一端が綴られている。これから住宅ローンを組むことを考えている人にとっても、大いに参考となる調査結果となったのではないだろうか。
調査時期: 2022年8月23日
調査対象: 住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員
調査数: 502人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません