ホンダは9月2日に「シビック タイプR」を発売する。先代モデル(現行型)は英国工場で生産していたが、今回の新型は同社のマザー工場である寄居工場(埼玉県)で生産する純国産スポーツカーだ。価格は499.73万円。関心の高いモデルであるため納期は長引くかもしれないが、台数限定ではないそうだ。
アプリで走りをシェアできる?
ホンダが新型シビック タイプRで目指したのは、「スポーツモデルの本質的価値である『速さ』と官能に響く『ドライビングプレジャー』の両立した究極のピュアスポーツ性能」だ。エンジンは先代モデルが搭載していた2.0L VTECターボエンジンの骨格をベースとし、ターボチャージャーの刷新などによりパワーを向上。最高出力243kW、最大トルク420Nmの動力性能を獲得した。トランスミッションは6速マニュアル(MT)のみ。
ドライビングプレジャーを高める仕掛けとして、車載ナビにタイプR専用のデータロガー「Honda LogR」(ホンダ ログアール)をアプリとして搭載しているところも特徴のひとつだ。このアプリを使えば、運転操作によるクルマの機械的な運動情報などをリアルタイムに把握することができるし、その情報をタイプRユーザー同士でシェアすることも可能。スマホ用のHonda LogRアプリでは走行データの確認のほか、走行動画を撮影し、走行データと同期させた動画を作成してSNSなどでシェアすることもできるという。
2017年に発売となった先代モデルは英国生産だったので、国産のシビック タイプRは久々となる(エンジンのみ米国オハイオで作るそうだが)。ちなみに、2020年には先代モデルのマイナーチェンジバージョンが登場したが、こちらは発表後に生産予定分が完売してしまったので、新車で買えるシビック タイプR自体が久しぶりともいえる。新型については「抽選販売」や「先着順での販売」といった噂も出ているようだが、ホンダによると台数限定モデルではないとのことなので、昨今の事情により納期がどうなるかは不明だが、注文さえすれば買えるクルマであることは間違いなさそうだ。
先代モデルは発売初年度に約5,000台を販売し、その後は年間1,500~1,800台で推移。結果として、歴代最高の4.72万台(米国2.51万台、欧州1.1万台、日本8,100台)が売れた人気車種となった。新型の販売計画台数は月間400台となっている。