新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所はこのほど、節電に関する意識調査を行い、結果を公表した。

この夏の電力不足を受け、政府は7年ぶりとなる節電要請を全国に行った。最高気温が35℃以上となる猛暑日が各地で続くなか、今回は節電に関する意識調査を行なった。同調査は2022年7月30日、「Yahoo!クラウドソーシング」を活用したインターネット上でのアンケートにて実施。調査数は1,000人だった。

  • 約9割が、電気料金の値上がりは家計に「かなり」「ある程度」負担

電気料金の値上がりは家計に「かなり」「ある程度」負担とした人は計89.0%に上った。

  • 電力を賄うために原発再稼働を「進めるべき」は半数以上に

電力を賄うために日本で原発再稼働を「進めるべきだと思う」が51.3%だった。

  • 節電ポイントに参加登録「したい」は約4割に

節電ポイントに参加登録「したい」38.9%、「したくない」28.4%、「わからない」32.7%だった。

  • 家庭で行っている節電対策、「照明をこまめに消したり明るさを調節したりする」が最多

家庭で行っている節電対策を複数回答で聞くと「照明をこまめに消したり明るさを調節したりする」が最多で50.1%。「エアコンの温度設定などを工夫」「エアコンに扇風機などを併用」「服装を替える」「テレビをこまめに消す」などが続いた。

  • 「節電ポイントプログラム」、「不適切」は45.8%、「適切」は35.2%に

電気代の負担を軽くするため政府が導入を決めた「節電ポイントプログラム」は、それぞれ「どちらかというと」を含めると「不適切」は45.8%、「適切」は35.2%だった。

  • 東福島第一原発事故以降、節電意識は「年月が経つにつれて薄れていった」は約4割に

東京電力福島第一原発事故以降、日本に節電意識が定着したかどうかを聞くと「年月が経つにつれて薄れていったと思う」の41.8%が最多。次いで「それなりに定着したと思う」32.8%だった。

  • 節電は、「かなり」「やや」意識している、が計73.8%に

今どのくらい節電を意識しているかを聞くと「かなり」「やや」意識しているが計73.8%だった。「かなり」と答えた人について、年代別では50代以上の層はすべて2割台だったのに対し、40代以下はいずれも1割台。年収別に見ると、500万円未満の層はいずれも2割台で、500万円以上だとすべて1割台以下となった。

  • 再生可能エネルギーの普及政策は、「バランスを見ながら進めるべきだ」が半数近くに

政府による太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及政策について「他のエネルギーとのバランスを見ながら進めるべきだ」48.7%が最多。次いで「さらに進めるべきだ」27.9%だった。

  • 石炭火力発電は「すぐに」「段階的に」廃止すべき、が約半数に

脱炭素化に向け日本で石炭火力発電を「すぐに」「段階的に」廃止すべきだとした人が計50.1%を占めた。

  • 節電ポイントの手法は、「熱中症被害を増やすと思う」が7割近くに

節電ポイントの手法が熱中症被害を増やすと思うかどうかを聞いたところ「増やすと思う」が67.9%に上った。