一生に一度はサーキットを走ってみたいけど、何から始めればいいのかわからない……。そんな方々に朗報だ。2022年7月10日から、「習い事」形式でサーキット走行が学べる新サービス「HC GALLERY -Simulator Room-」がスタートする。さっそく受講してきた。

  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子

    サーキット走行を習い事で学習?

プロドライバーのレッスン付き!

「HC GALLERY -Simulator Room-」は最新のドライビングシミュレーター「DRIVe-X」を使って、本格的なサーキット走行を体験しながら学べるサービス。プロドライバーが講師を務め、「サーキットデビューしたい」という願いから「レースで優勝したい」という夢まで幅広いニーズに対応する。

  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子

    「HC GALLERY -Simulator Room-」は東京都心(東京都新宿区、牛込柳町駅を出てすぐのビル)にあり、アクセス良好。プロドライバーもトレーニングに使用するドライビングシミュレーター「DRIVe-X」でサーキット走行が学べる

料金プランは月額2,200円から。利用時には1回1時間あたり3,000円が別途かかる。毎年12回分の無料クーポンがもらえるので、月に1回はタダでシミュレーターを使える計算だ。プランはいろいろで、プロによるシムトレーニングつきのコース(月1回2時間の講義あり)は月々1.4万円となる。ネットで予約すれば、入会しなくてもシミュレーターをゲスト利用(1時間4,500円)できるという。

  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子
  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子
  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子
  • 精密に作られたドライビングシミュレーター「DRIVe-X」。操作に応じて筐体が動く

「HC GALLERY -Simulator Room-」を運営するTAKE FRONTIERの代表取締役 佐野順平さんによれば、本サービスを立ち上げる理由は「一度でもいいからサーキットに行きたいと考えている人が、小さな一歩を踏み出すための機会を提供したい」からだ。

サーキットに乗り込むには車両代に加え、カスタム費用やメンテナンス費用はもちろん、サーキット走行費もねん出しなければならないなど、さまざまなコストがかかる。考えただけでもあきらめてしまいそうなサーキット走行の夢を後押ししたいというのが佐野さんの考えだ。

TAKE FRONTIERではトヨタ自動車「86」を使ったレーシングカーシェアサービス「HC Sharing」(入会金2.2万円、月1回使える12回分のクーポンを毎年支給、入会時に無料の広場トレーニング1回が受講可能)を展開中。シミュレーターで実力と自信をつけたら、こちらのサービスに移行すれば、クルマも道具も用意せずにサーキットにデビューすることが可能だ。

さて、実際に「DRIVe-X」を使ってみた感想だが、映像も操作関係もかなりリアルで、またリアルなだけに、ほぼペーパードライバーの私にはかなり難しかった。86で意気揚々と富士スピードウェイを走り出したところまではよかったのだが、第1コーナーでいきなりコースアウトし、いわゆる「壁に刺さる」という状態になってしまったのだ。パドルで適切なギアを選びながら走らなければならないし、どこかにコースの全体図が表示されているわけでもないし、ブレーキペダルは重いし、いつ踏むべきかもわからない。結局、まともに曲がれたコーナーなどひとつもなかった。

でも、これがリアルな実力なのだ。いきなりサーキットで始めなくて、本当によかった。汗はかいたけど、少なくともけがはしていない。

  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子

    走行中の画面

  • 「HC GALLERY -Simulator Room-」の様子

    「HC GALLERY -Simulator Room-」の講師陣の1人であるプロドライバーの澤圭太さんが手とり足とり指導している様子。実車では、ここまで濃厚に教えてもらうことは不可能だ

あまりのセンスのなさに少しあきれ顔(?)のプロドライバー・澤圭太さんに、「私レベルのドライバーだと、サーキットデビューまでどのくらいかかりますか?」と聞いてみると、「あと2回、シミュレーターで練習してみて、次は広場で実車に乗ってもらって判断する感じですかね」とのこと。シミュレーターを使った練習の効果は、かなり高いらしい。

実際のところ、講師陣の1人でワンメイクレース「N-ONE OWNER'S CUP」で表彰台を獲得した実績を持つ岡村英莉さんによれば、シミュレーターを使い始めてからの実力の伸び具合は相当なものだったという。週1回、2~3時間程度の練習を始めてから、わずか2カ月で表彰台に上ることができたそうで、その際はあまりに早い上達ぶりから不正を疑われたのか、「レース後の車検が長引いた」とのことだった。