――改めて、どのような思いで本作に臨まれましたか?
内藤:僕は初めてのBL作品ということもあって、かなり緊張しました。しかも先輩役。現実では僕の方が年齢は下ですし、共通の『仮面ライダー』作品で見ても5個くらい上の先輩にあたります。劇中では先輩を演じないといけないということに不安は感じました。
――瀬戸さんは?
瀬戸:BLというジャンルが一つのコンテンツとして確立されているものだと僕は思っています。その枠に出られるうれしさはもちろんありました。でもうれしさと同時に、その確立されたジャンルの作品の一つになることに対して大丈夫だろうかと不安もありました。いろんな感情がめぐる中、がむしゃらにやるしかないなという気持ちでいっぱいでした。
――過去に内藤さんは『仮面ライダーセイバー』、瀬戸さんは『仮面ライダーエグゼイド』に出演経験があります。先ほども『仮面ライダー』出身というお話がありましたが、こういった形で共演してみていかがでしたか?
内藤:僕はそこはあまり気にはなりませんでした。お互い一役者として、という意識のほうが強かったです。ただ不安な部分も多々ありました。特撮ファンの方々、特に『仮面ライダー』ファンの方々が僕たちのことをどう見るか、そこはけっこう意識しました。
瀬戸:僕もあまり気にはしなかったです。キスシーンとかも、僕はただただ受け止める側と言いますか(笑)、相手の来たものに対して、それを受けようとしか考えてなかったです。そこは内藤くんにお任せしちゃっていましたね。
――今回BLドラマに参加してみて、それぞれご自身の恋愛観や人生観に変化はありましたか?
内藤:変わりましたね。言わないと伝わらないな、と一番大きく感じました。ちゃんと自分の中には「好き」という気持ちがあるのに、何かが邪魔して伝えられなかったり、ちゃんと伝えようとしなかったりしたら伝わらないし、前に進まない。自分が思ってることをちゃんと言った方がいいなと実感しました。
――大切な学びですね。
内藤:今回モノローグが多いので、視聴者からすれば感情が伝わりますけど、実際は言葉にしているわけではないので、自分の本当の気持ちが伝えられていない状態で、モヤモヤした気持ちが残ったままになってしまう。自分が思ってることをしっかり伝える。変なプライドは持たない! ということを学びましたね。自分の人生なんだから!
――瀬戸さんは?
瀬戸:恋って素敵だな! って改めて思いました。駆け引きも含め、この作品を通して考えさせられたところではあります。何より、お互いしっかり役の中で生きることもできたと思うので、すごく貴重な経験をさせてもらいました。
――貴重な経験という点で言いますと、本作ではお二人のキスシーンも。
内藤:僕は芝居でキスをするのが初めてで、緊張しました。ただちょっとショックでした。
――その心は?
内藤:キスした後に、瀬戸くんに「お前とキスすると唇の上のあたり濡れるんだけど」って言われたんです。
瀬戸:ハハハ! 唇を開けることによって内側が当たるんですよ。「なんでいっつも唇濡れるんだろう?」と思ったらそれが原因でした。
内藤:僕も始めはなんだかわかんなかったんですよ。「え!? なんでだろう!? ごめん、なんか下手なのかな!?」って思ったんです。モニターでよ~くチェックしたら、キスし始めは口をちゃんと閉じてるんですよ。で、キスする手前ぐらいで口がポワ~ンって開いちゃうんですよ(笑)。今後にも活かせますし、指摘されて良かったんですけど、それを瀬戸くんに言われたのが悲しかったです。
瀬戸:なんでだよっ(笑)。
内藤:初めてのキスシーンなのに悲しかったです。「ごめんなさい! 気をつけます!」ってなりました。
瀬戸:ハハハ!
内藤:視聴者の皆さんにはそこもぜひチェックしてほしいです。「口、開いてる開いてる!」って(笑)
内藤秀一郎=ヘアメイク Sayu スタイリスト 山本隆司
瀬戸利樹=ヘアメイク 窪田健吾(aiutare) スタイリスト 瓜坂拓海