首や背中の痛み、頭痛と同じようにビジネスパーソンを悩ますのが腰の痛み。ジンジンとうずく痛みがずっと続くと、ぐっすりと眠れず疲れを引きずったままだ。生活習慣による腰の痛みを改善するには毎日できるストレッチが効果的。
最新のパーソナルトレーニングで注目される柴雅仁先生にどこでもできるカンタンストレッチを教わるとともに、あわせて翌日に疲れを持ちこさないストレッチも聞いてみた。
■立ったままできる脇腹グーチョキパーストレッチ
日本人が抱える不調の自覚症状で最も多いのが腰の痛みだと言われています。腰痛の原因はさまざまですが、日頃の生活習慣による筋肉疲労も大きな原因のひとつで、最近ではZ世代にも腰痛持ちが増えています。理由はもちろん長時間のパソコンワークなどによる「姿勢の固まり」です。
オフィスで手軽にできるのは、腰回りを伸ばす脇腹のストレッチです。脇腹の外腹斜筋は腰の広背筋とつながっているので、脇腹を伸ばすと腰痛緩和が期待できます。
立ったまま伸びをするだけでも脇腹は伸びますが、「グー」「チョキ」「パー」の手の動きを入れるとさらに伸びます。なぜなら指の筋肉は肩までつながり、肩は体幹部とつながっているからです。親指は力こぶから肩に。小指は腕裏から脇、そこから体幹につながっています。
天井に向かって片手を突き上げ、反対の手をピストルの形にします。ピストルにすると脇が締めやすくなるため、そちら側の半身が下がり、反対の手がぐっと上がります。
その状態からグーで伸ばし、チョッキにしてさらに伸ばし、パーでマックス。しばらくして力を抜きます。この順序はかならず守ってください
立って行うため、人の目が気になる人はトイレでやってもいいでしょう。また、両手を頭上で組んで太ももの付け根にある鼠径部から上体を横に傾けるストレッチもおすすめです。
■寝る前に1セット! 腰痛に効く3分ストレッチ
1日の疲れが出るのは夕方から夜。腰痛持ちの人はこのくらいから腰が張ったり、痛みが出ることが多いようです。帰宅後の時間を利用して、できれば就寝前に「脇腹グーチョキパーストレッチ」を習慣づけるといいでしょう。
このストレッチは寝転がった姿勢で行ってもOKです。片手を腕枕に横向きに寝て、反対側の手を先ほどと同じ要領でグーチョキパー。しっかり伸ばしてから起き上がりましょう。
疲れを明日に持ち越さないコツは、寝る前に血の巡りを良くしておくことです。下半身の血流をつかさどるのは、ポンプの役目を担うふくらはぎ。首や肩、腰の痛みも、ふくらはぎの筋肉を緩めることでかなり改善が期待されます。
特に不調がない人も、就寝前に次のふくらはぎのストレッチを行うと、翌朝スッキリ起きられます。
1.最初は裏ももを伸ばします。横になって、片足を浮かして膝裏を抱え、胸に近づけます。この姿勢を30秒ほどキープします。
2.そのまま足を4の字にして、立てたほうの膝頭を両手でつかみ、胸に近づけるよう引っ張ります。こうすると乗せてる足側のお尻の筋肉が伸びます。
筋肉量の多いお尻を意識して伸ばすことにより、つながる腰や腹、足など身体全体にストレッチ効果が行き渡るのです。これも30秒ほどキープします。
3.最後はそのまま身体をねじって斜めにします。斜めになると腹斜筋が伸びるので腰痛に効果的です。このとき、足側の手の平は上向きに、反対側の手は肩よりこぶしひとつ分ほど上に伸ばします。
これも30秒間でOK。この3ポーズを逆側でも繰り返して1セットです。毎日続けるなら1日1セットで十分です。合計3分で終わる簡単ストレッチなので、ぜひ気軽にトライしてみてください。
■就寝時のアイケアで、翌日スッキリした目覚めを。
目の疲れが取れなくて、翌日も朝からどんより。そんな経験をしたことがある人は少なくないと思います。1日の最後に目の疲れを癒すには、目を温めるのがおすすめです。
最近はホットマスクなどのアイケア商品が人気ですが、手元になかったり、温タオルなどを用意したりするのが面倒なときはアイマスクでも構いません。
特に「目が疲れたな」と感じた日の就寝時には、遮光性の高いアイマスクをおすすめします。布を目にかぶせるだけでも保温効果がありますし、何より光を一切シャットアウトできることが大きいからです。
日中に絶えず刺激を受けている目は、眠っている間に完全に休ませることが大切です。ストレスが溜まっていると、ちょっとした光でも交換神経が刺激されて寝つきが悪くなりますので、「真っ暗にして寝る」ことを心がけてください。