映画『太陽とボレロ』(6月3日公開)のキックオフイベントが10日に長野県で行われ、檀れい、水谷豊監督が登場した。
同作は水谷豊監督作の第3弾で、ある地方都市の市民交響楽団を舞台に、「音楽を愛する人々」と「音楽の素晴らしさ」を描いていく。主宰者である主人公の花村理子(檀れい)は18年間、個性豊かなメンバーとともに活動してきたが、楽団の経営は苦しく必死に奔走する理子だったが、ついに楽団の歴史に幕を閉じる決断を迫られる。そして、最後にして最高のコンサートがはじまる。
イベントは、ロケ地である長野県松本市の中心街に位置する信毎メディアガーデンにて実施された。“音楽を愛するアマチュア交響楽団”を題材にしているということにちなみ、松本市の高校・松商学園高校の吹奏楽部がイベントに参加し、オープニングアクトとして本作劇中でも奏でられる、モーリス・ラヴェル作曲の「ボレロ」を堂々と演奏した。
ステージの裏で演奏を聴いていた檀は、「素晴らしい演奏をありがとうございました。思わず、撮影当時、キャストの皆さんが『ボレロ』を演奏していたのを思い出してしまいました。皆さんの『ボレロ』も若々してフレッシュで素敵でした」と満面の笑みで絶賛し、水谷も「感無量ですね。まさかこのような素晴らしい歓迎が待っているとは思わなかったので、本当に感激しておりますし、もう東京に帰ってもいいかなと思っています」と語る。
メインのロケ地である松本に凱旋することとなった2人は、「コロナで撮影が1年延期になったのですが、松本の方は協力的で温かくこの映画を見守ってくださいました。この『太陽とボレロ』が無事に撮影できたのも松本の皆さんあってこそだと思います」と感謝の気持ちを述べ、水谷監督は「この作品に必要だったのは、自然が近くにあること。山、川、緑、そして風を感じられる街が良いということで撮影監督と相談し、すぐに松本に決まりました。本当に松本にして良かったと思いました」と振り返った。
生徒から好きなことを続ける秘訣について聞かれると、檀は「まず1番は、好きでい続けることじゃないかなと思います。私も宝塚歌劇団に在籍していたころ、最初は全然ダメダメだったけど、そんなときでも『3度の飯より芝居が好き』と思っていました。好きという気持ちを持っていれば努力もするし、大事なことだと思います」と明かす。水谷監督は「好きだからといっていうといつも楽しいかというとそうではない。苦しいこともあると思います。でも、苦しいからといってそこで辞めてしまったら終わり。苦しいことを乗り越えて、乗り越えた先には必ず素晴らしい世界が待っているので、それを信じて好きなことをしてほしいです」と答え、質問した生徒は「これからもつらいことが色々あると思うけど、お二人の言葉を胸に頑張っていきたいと思います」と話した。
(C)2022「太陽とボレロ」製作委員会