先日、第75回カンヌ国際映画祭(5月17日~5月28日開催)のコンペティション部門へ正式出品することが決定した是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』より初の映像素材となる特報が29日、公開された。さらに、日本公開日が6月24日に決定した。

『ベイビー・ブローカー』6月24日公開決定

カンヌ国際映画祭で是枝監督作品がコンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』から4年ぶり、6回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は、8回目)となるが、今回は韓国映画としての出品となることにも世界的な注目が集まっている。

本作は、海外の才能たちと本格的なセッションに踏み出した『真実』に続き、韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画だ。主演を務めるのは、2020年アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』でも主演を務めたソン・ガンホ。パルムドール受賞『万引き家族』の是枝裕和監督×アカデミー賞受賞『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ主演で贈る『ベイビー・ブローカー』に、早くも期待の声が上がっている。

特報映像は、古びたクリーニング店を営みながらも裏で赤ん坊の売買をするベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)の「まあ、一言でいうなら、善意ってことかな。」というセリフとともに、ある雨の日に赤ちゃんポストから連れ去られた小さな赤ん坊の姿が映し出される。まるで家族のように見せかけながら、韓国各地を旅して買い手となる養父母を探すサンヒョンと相棒のドンス(カン・ドンウォン)。ドンスは「赤ちゃんポスト」がある施設で働く児童養護施設出身だ。特報では、成り行きで2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨン(イ・ジウン)の姿も見られ、さらに、彼らを検挙するため尾行を続ける正義感に溢れた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)の2人も後に続く様子が描かれる。

赤ちゃんを高く売る、ただそれだけのはずだった…。しかし、彼らの旅は思いもよらない展開と結末に向かっていく。映像は冒頭の軽口で発せられたセリフとは打って変わり、「幸せにしてやるからな」という一見優しく聞こえる言葉と、純粋に旅を楽しんでいるようなサンヒョンたちの姿で締めくくられる。韓国を代表する名優たちが是枝演出によって、韓国作品とは一味違った表情を見せる様子も垣間見え、作品の全貌にますます期待が高まる特報となっている。果たして、「赤ちゃんポスト」で出会った彼らの旅の行方には何が待ち受けているのか…?本特報映像は、本日より公開劇場や作品公式HPなどで流れる予定となっており、これに合わせ本日からムビチケ前売り券の発売も開始となる。