日本トレンドリサーチ(運営会社:NEXER)はこのほど、「週休3日制に関するアンケート」を実施し、結果をサイト内にて公開した。

  • 「週休3日制に関するアンケート」を実施

パナソニックが、希望する社員が週休3日で働くことができる「選択型週休3日制」を導入する方針を明らかにした。日立製作所やNECでも「週休3日制」が検討されている。また、アイスランドで2015年から2021にかけて実施された「週休3日制」の実験では、全体として生産性やサービス品質の低下は見られず、従業員の多くはストレスが低下し、仕事に前向きになったという。

海外では導入が広がりつつある「週休3日制」だが、日本で働く人々はどのように感じているのだろうか。今回は、事前調査で「現在、就業している」と回答した全国の男女計550名(30代以下・40代・50代・60代・70代以上/各年代110名)を対象に「週休3日制に関するアンケート」を実施した。調査期間は、2022年4月19日〜4月25日。

初めに、自身の職場に「週休3日制」が導入されているか聞いた。なお同記事では、週に3日休んでいることを便宜上「週休3日制」を「利用している」として進めている。

  • 95.3%が、自身の職場に週休3日制は「導入されていない」と回答

  • 週休3日制が導入されている職場に勤めている人の多くが、制度を利用している

95.3%が、自身の職場に週休3日制は「導入されていない」と回答した。週休3日制が「導入されている」と回答した26名に、週休3日制を利用しているか聞いた結果、週休3日制が導入されている職場に勤めている人の多くが、制度を利用している実態が明らかとなった。

それぞれの回答の理由と職種を、一部紹介している。

■「週休3日制を利用している」回答理由

・ワークライフバランスに適しているから。(「人材派遣業」30代・男性)
・もともと週休3日だった。(「物流・配送」20代・男性)
・結婚しているので、適度に働きたいので。(「ピアノ講師」50代・女性)
・効率がいいから。(「企業等の役員」60代・男性)
・週4日で十分な仕事だから。(「企業等の経営者」70代・男性)

■「週休3日制を利用していない」回答理由

・もっと稼ぎたい。(「物流・配送」50代・男性)

自身の職場に週休3日制が「導入されていない」と回答した524名に、もし「週休3日制」が導入されたら利用してみたいか聞いた。

  • 64.9%が、週休3日制を「利用してみたい」と回答

その結果、64.9%が「利用してみたい」と回答。年代別に集計すると以下のようになった。

  • 70代以上では「利用したくない」が半数を超えている

70代以上では「利用したくない」が半数を超えた。他の年代では「利用したい」が多数派で、特に30代以下では77.6%が「利用したい」と回答した。

それぞれの回答の理由を、一部を紹介している。

■「職場に週休3日制が導入されたら利用したい」回答理由

・絶対条件として収入が減らなければ、仕事的に体力仕事なので休みが増えるのはうれしい。(40代・女性)
・ワークライフバランスの観点から、プライベートの時間をもっと充実させたい(60代・男性)
・単純に体も心も安定しそう。(30代・女性)
・1日何も予定を入れない日ができて、余裕が持てると思うため。(50代・女性)
・趣味に没頭できる。友達と遊べる日が増える。(20代・女性)
・自分の時間を増やしたい。(50代・男性)
・家族との時間が増えるから。(20代・男性)
・育児と家事の時間が多く取れる。(50代・男性)
・親の介護などで時間がほしいから。(60代・男性)
・生活の中で仕事にかける時間の比率が多すぎると感じているから。(30代・女性)
・週休2日は働きすぎと思う。(30代・男性)
・拘束時間が長いので、もっと休みが欲しい。(40代・女性)
・休みが多いほうがパフォーマンスが上がるから(20代・男性)
・週休3日でも業務に支障はないと思うから。(30代・女性)
・少ない日数で効率よく働きたいから。(40代・男性)
・成果中心になることは業務の効率向上にもつながるからです。(50代・男性)
・会社が遠いから。(40代・男性)
・二泊三日の旅行などで遠出ができれば、人生の思い出ができる。(60代・男性)
・年齢的にそろそろ楽したいです。(70代・女性)

■「職場に週休3日制が導入されても利用したくない」回答理由

・給料が減る。(30代・女性)
・売り上げが落ちるので。(60代・男性)
・顧客の迷惑になる。(70代・男性)
・業務が終わらないと思う。(50代・男性)
・他の4日間の残業が多くなるだけだから。連休明けの憂鬱感が酷くなりそうだから。(40代・男性)
・一日の就業時間が延びるから。(30代・男性)
・休みが多いと働きたくなくなるので。(20代・女性)
・暇を持て余しているので。(80代・女性)
・建設業の仕事柄時間的な制約が有るから、週40時間労働を変えず1日の作業時間の延長は難しい。(70代・男性)
・週休3日制にすると有給消化がさらに難しくなりそうだから。(40代・男性)
・自分のしたいことをやっているので、日々の仕事は楽しみだから。(70代・男性)
・休みが多いと遊びにお金を使ってしまう。(20代・男性)

さらに「週休3日制」の良い点・メリットだと思うことについて、回答の一部を紹介している。

■「週休3日制の良い点・メリット」回答

・しっかり体を休めることができる。(40代・女性)
・ライフワークバランスが取れるから。(30代・男性)
・家族との時間が増える。(40代・男性)
・余暇が増えプライベートが充実する。仕事に集中できる。(30代・男性)
・効率がよくなり職場の雰囲気も良くなると考えるから。(30代・女性)
・リフレッシュすることで気持ちを入れ替えられる。(30代・女性)
・通勤のストレスがへる。(60代・女性)
・時間にゆとりを持てる、趣味を満喫できる。(20代・女性)
・旅行に行きやすくなること。(40代・男性)
・副業や資格取得ができる。(40代・女性)
・平日でしかできない個人的業務を行う時間が確保できる。(60代・男性)
・休みが多いので、体力があまりなくてもつづけられる。(50代・女性)
・疲れやすい高齢者には魅了的。(60代・男性)
・仕事に対するモチベーションがあがりそう。(30代・男性)
・人間にゆとりが出来ると、可能性が広がると思います。(70代・女性)
・育児や介護など家庭の事情がある人が働きやすい。(50代・女性)

続いて「週休3日制」の悪い点・デメリットだと思うことも聞いた。

■「週休3日制の悪い点・デメリット」回答

・収入が下がる可能性が濃厚。(30代・男性)
・一日の労働時間が増えること。(40代・男性)
・休日が増えることで、一日あたりの業務量が増える可能性もあること。(40代・女性)
・仕事の停滞、残業が増える。(70代・男性)
・休み明けの仕事の量が多くなる。(20代・男性)
・週4日の仕事の密度が濃くなり、休憩時間などがとれない可能性がある。(60代・男性)
・残業による疲労感が増える。(50代・男性)
・週休3日も休めない企業やサービス業などが大変になるかも。(20代・女性)
・スタッフを多く抱えないとまわっていかない。(70代・男性)
・業務の生産性が落ちてしまう。(60代・男性)
・仕事への責任感が薄れそう。(30代・女性)
・3日休んでしまうと、直ぐに仕事への気持ちがわかない。休み癖が付きそう。(60代・女性)
・仕事の緊張感が減る。(40代・男性)
・経済が回らなくなるのではないか。(40代・女性)
・時間が余りすぎて、お金が足りない。(50代・男性)

今回は、事前調査で「現在、就業している」と回答した人に「週休3日制」に関するアンケートを行った。自身の職場に週休3日制が「導入されている」人に、制度を利用しているか聞いたところ、26名中25名が週休3日制を「利用している」という結果となっている。

職場に週休3日制が「導入されていない」人に、週休3日制が導入されたら利用したいか聞いたところ「利用したい」と回答した人は64.9%で、最も割合が高かった30代以下では77.6%が「利用したい」と回答した。その一方で、「利用したくない」という人も少なからずいる。

週休3日制の良い点・メリットだと思うことについては「仕事とプライベートの充実」に関するものが多く挙がり、悪い点・デメリットで多く挙がったのは「給与の減少」となった。同社では、「日本でも少しずつ導入されている『週休3日制』という働き方は、今後定着していくのでしょうか」と問いかけている。