2022年に入ってから、住宅ローンの固定金利が上昇しています。この流れを受けて「変動金利も上昇するのではないか」「固定金利が上がりきる前に固定金利に変更したほうがいいのではないか」と考えている人も増えているようです。

そこで今回は、住宅ローンを組んでマイホームを購入したマイナビニュース会員402人を対象に、「住宅ローンの借り換え」に関するアンケート調査を実施。金利タイプの変更を検討している人、そうでない人の意見を聞きました。

  • 金利タイプの変更を検討している人はどんなことを考えている?

固定金利を利用する4割が、変動金利への切り替えを検討

Q.あなたは現在、どちらのタイプの住宅ローンを利用していますか?

固定金利……26.6%
変動金利……22.4%
住宅ローンは利用していない……51.0%

固定金利と変動金利のどちらを利用して住宅ローンを組んだのか尋ねたところ、「固定金利」は26.6%、「変動金利」は22.4%でした。やや固定金利の方が多いですが、それほど大きな差は出ず、固定‌金利派・変動金利派は半々であるようです。

Q.固定金利の方にお伺いします。今後、変動金利に変更する予定はありますか?

はい……39.3%
いいえ……60.7%

固定金利を利用している人のうち、今後、変動金利に変更する予定があるか尋ねたところ、39.3%が「はい」と答えました。「変更しない」の方が20ポイント以上多くなっていますが、それでも4割とかなりの割合が切り換えを検討していることがわかりました。

次は、「変更する」「変更しない」それぞれの理由について、具体的に紹介します。

Q.今後、変動金利に変更する・変更しない理由を教えてください

<変更する理由>

  • 「金利を抑えることができそうなので」(男性/42歳/茨城県/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利が少しでも安いと助かります」(女性/47歳/福岡県/専門サービス関連/個人事業主・会社役員)

  • 「金利が安いため。変動は何年も上がっていないため」(男性/39歳/神奈川県/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利が低下しており今後も低下を見込むから」(男性/27歳/埼玉県/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

<変更しない理由>

  • 「いじるのが面倒くさい」(男性/54歳/神奈川県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

  • 「金利が低いときに契約したので、そのまま維持したい」(男性/49歳/東京都/メカトロ関連技術職/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利が上がる可能性がゼロではないから」(男性/49歳/新潟県/IT関連技術職/会社員・公務員・団体職員)

  • 「変動金利だと家計の管理が面倒」(男性/54歳/東京都/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

変更する理由としては、金利が低い変動金利にすることで、少しでも毎月の支払額を減らしたいという声が目立ちました。一方、変更しない理由としては、変動金利は今は金利が低くても、今後上昇する可能性があることや、家計の管理・切り替えの手続きの大変さを挙げる声が目立ちました。

変動金利の利用者は、8割が「切り替えない」と回答

Q.変動金利の方にお伺いします。今後、固定金利に変更する予定はありますか?

はい……20.0%
いいえ……80.0%

変動金利を利用している人に、今後、固定金利に変更する予定があるか聞いたところ、圧倒的に「変更しない」が多くなりました。「変更する」「変更しない」それぞれの理由について聞いてみましょう。

Q.今後、固定金利に変更する・変更しない理由を教えてください。

<変更する理由>

  • 「将来性を考えた結果」(女性/35歳/東京都/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利を抑えたいから」(男性/44歳/東京都/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利が少しでも安くなれば良いと思いました」(女性/33歳/北海道/販売・サービス関連/フリーター)

<変更しない理由>

  • 「変動しない方が安心だから」(女性/43歳/千葉県/その他/専業主婦)

  • 「現在の固定金利が結構低いので、変動金利にした時のリスク回避」(男性/48歳/岐阜県/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「変えた時の手数料が高すぎるから」(男性/40歳/滋賀県/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「面倒だから」(男性/56歳/群馬県/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「よく分からないから何が正解かわからない」(女性/35歳/埼玉県/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

変更しない理由として、手続きの煩雑さや手数料の高さを挙げる人もいました。また、情報を集めるうちに、何が正しいのかわからなくなってしまったという人も。どちらの金利にも一長一短があるため、単純に金利の低さだけでは、決められないのかもしれません。

Q.現在の金利を選んでいる理由

何千万という高額な買い物である住宅。住宅ローンを組む際には、「固定金利」「変動金利」それぞれのメリット・デメリットを把握し、検討に検討を重ねて、今の金利を選んだのではないでしょうか。次は、今の金利を選んだ理由について聞いてみました。

<固定金利>

  • 「利率を一定にした方がリスクが少ないと思った」(女性/47歳/滋賀県/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「支払金額が固定される方が有利だと思った」(男性/59歳/神奈川県/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「利率を維持して安心したい」(男性/55歳/奈良県/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「今よりも低い金利にならなさそうだから」(男性/50歳/京都府/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「銀行に勧められたから」(男性/44歳/千葉県/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

<変動金利>

  • 「当時、変動金利が固定金利よりだいぶ安かったから」(男性/44歳/埼玉県/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利が下がると見込んだから」(男性/53歳/愛知県/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利をやすくしたいから」(男性/45歳/大阪府/建築・土木関連技術職/会社員・公務員・団体職員)

  • 「親に勧められたから」(男性/27歳/福島県/その他・専業主婦等/学生)

固定金利を選んだ理由としては、「利率が一定である方が安心する」など、金利上昇のリスクを回避できるという固定金利のメリットを挙げる声が多くなっています。一方、変動金利を選んだ理由として圧倒的に多かったのは「利率が低かったから」でした。金利上昇のリスクがあるとしても、住宅ローンのシミュレーションなどで総支払額を見て、固定・変動の金額の差に驚いた人も多いのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか? 今回のアンケートでは、変動金利の利用者は現状を維持する人が圧倒的に多く、固定金利の利用者は変動への変更を4割が検討しているという結果になりました。しかし、変動金利は、その名の通り金利が"変動"するというリスクもあります。今は金利が低くても、昨年から続く値上げラッシュで金融緩和策の見直しがされ、変動金利が上昇することを心配する人もいることでしょう。

住宅ローンの借り換えをしない人の中には、「あと数年で支払いが終わるから」という人もいました。借り換えや金利方式の変更を行う際には、数十万円の手数料が必要になる場合も。手続きの手間や手数料の支払い額のことを考えると、そのまま金利を変えずにローンの返済を終えたいと考える人もいるようですね。

複雑でわかりにくい住宅ローンの金利ですが、金額が大きいだけに、ほんのわずかの金利の差でも、総支払額でかなりの差が出てしまいます。残っている返済期間や金額にもよりますが、固定金利の金利が上昇していることを機に、一度フィナンシャルプランナーや銀行に金利方式の変更について相談してもいいかもしれませんね。