川栄李奈、コロナ禍で再確認したポジティブ精神の大切さ　シングルマザーの大道芸人に「カッコいい」

女優の川栄李奈が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00～ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、10日に放送される『泣かないでアコーディオン ～シングルマザーの大道芸人～』。コロナ禍で仕事と収入を失ったシングルマザーの大道芸人と、4歳の一人息子に密着した作品だ。

収録を終えた川栄は、様々な苦難を抱えながらも前向きに進む母親の姿に「“カッコいいお母さん”だと思いました」と感服する一方、そのポジティブ精神に共感していた――。

• 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した川栄李奈

■前向きに生きる母子に「すごく素敵でした」

大道芸人・あんざいのりえさん(44)は、アコーディオンひとつで、一人息子のろっちゃん(4)を育てるシングルマザー。しかし、コロナ禍となって収入のほとんどを占めるイベント出演が軒並みキャンセルに。感染防止対策で、自分の存在価値を実感できるホームグラウンドである上野公園の大道芸も中止となってしまった。

これを機に芸の幅を広げようと日々アコーディオンの練習に取り組むものの、一向に出口の見えないコロナ禍で持病が悪化し、体が動かなくなってしまうのりえさん。さらに、貯金を切り崩す生活にも限界が見え始めるが、「うちはお金はないけど、時間はいっぱいあるから、ろっちゃんには私なりに世の中の楽しみ方とかをもっと教えていきたい」という気持ちで、大道芸人の母にしか教えられない人生の楽しさを息子に伝えようとしている。

今回の映像を見て、「お母さんというだけですごく大変だと思うのですが、シングルマザーの方は全部1人でやらなきゃいけないし、コロナ禍もあって大変なことが続いている中で、全部プラスに持っていき、子供に一番夢を見せてあげているというのが、“カッコいいお母さん”だと思いました」と、のりえさんが悲壮感を見せず、前向きに生きる姿に感服する川栄。

さらに、「ろっちゃんとの距離感も、家族であり親友であるかのようで、絆みたいなものを感じてすごく素敵でした」と振り返る。

• 食卓を囲むろっちゃん(左)とのりえさん　(C)フジテレビ

■「勝手に解決して楽しく過ごすタイプです(笑)」

大道芸を愛してやまないのりえさん。その生きがいがコロナによって奪われてしまったことに、女優として充実の日々を送る川栄も「自分が長年続けて、努力して頑張ったと思えるものだと思うので、そのつらさはすごく分かりました」と共感する。

コロナで仕事がなくなった時期は、「“これからやるぞ!”ってなったときに撮影が中断になると、グッとテンションが下がりました」というが、「私の場合は、皆さんが一斉に休んでいた時期だったので、“みんな一緒なんだ”という思いで頑張れた部分があります。だから、この中でポジティブになれる人は本当に強い人だなと思いますね」と、改めてのりえさんの精神力に舌を巻いた。

一方で、自身も「悩んで沈んじゃうよりは、勝手に解決して楽しく過ごすタイプではあります(笑)」というポジティブ精神の持ち主。それだけに、新年度で新たなスタートを切った視聴者に向けて、「コロナ禍で大変な中でも、やっぱり楽しみを見つけて、新しいことを始めるのもすごく大事なことだなと思いました。何より、沈まずに気持ちをプラスに持っていくことはすごく大切ですし、社会においても大事なことになってくると思うので、そういう気持ちを忘れずに楽しく生きてほしいなと思います」と呼びかけた。

• ベビーカーのろっちゃんを連れてアコーディオンを披露　(C)フジテレビ

■朝ドラでの英語が話題「また勉強を始めないと」

そんな川栄が、最近新しく始めたことは、ヒロインを務めた朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)で披露した英語と関西弁の勉強。人生でこれだけ勉強したのは初めての経験だったといい、英語については「台本に載っていたことしかしゃべれなくて全然身についていなくて(笑)。でも、皆さんが『絶対続けた方がいい』と言ってくださるので、“頑張れ自分!”って言い聞かせて、また勉強を始めないとなと思ってます」と示唆した。

また、のりえさんが上野公園をホームグラウンドと位置づけるように、川栄にとっても朝ドラの撮影に打ち込んだNHK大阪放送局のスタジオや、ロケ現場の東映太秦映画村が「他の作品の撮影で行くことがあったら、すごく思い出がよみがえってくるんじゃないかと思います」と、今後の女優人生において縁の深い場所になったようだ。