パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は3月14日、「決定年収上昇率ランキング(業種版)」を発表した。同ランキングは、2019年1月~12月末と2021年1月~12月末までの間に「doda」経由で転職に成功した20~65歳男女の、転職決定企業での決定年収をもとに算出した。なお、同ランキングにおける決定年収とは、転職を受入れる企業が採用決定時に個人に提示する年収のことを指す。

  • 業種大分類別 決定年収の上昇率ランキングTOP5 ※2019年を100とした場合の推移

業種大分類とは、業種を大きな分類でくくったカテゴリのこと。2021年の決定年収上昇率をみると、10のうち9つの業種大分類で、コロナ前の2019年の決定年収を上回った。

コロナ前後で決定年収が上昇した4つの要因としては、「事業運営上の体制立て直しのため、高い専門性を持った人材の採用を強化したため」「業績好調で成長が見込める企業では、人員確保が急務となり提示金額を引き上げて採用したため」「企業が求めるポジションが、業務を遂行する『現場』から、『教育・管理』する側に変化したため」「求人ポジションの変化に伴い、転職決定者の平均年齢において30代や40代の比率が上がったため」の4つの要因が考えられるという。

業種大分類で決定年収の変化を見て見ると、1位は「総合商社」で、決定年収が約10%上昇している。大幅な物価上昇により2021年は大きく利益を押し上げた年だったため、優秀な人材を確保する動きが見られた。

そのため求人数は、2019年と比較して大幅に増加している。決定年収の上昇には、求人数の伸びも関係しており、2019年から2021年にかけて「IT/通信」と「インターネット/広告/メディア」の求人数は150%以上と伸長し、採用ニーズが高くなっている。

  • 求人掲載数の変化(2019-2021) ※2019年を100とした場合

業種大分類のなかでも細かな業種に分けた業種別上昇率ランキングでは、「メディカル」や「金融」に分類される業種で上昇率が高かった。

  • 業種別 決定年収の上昇率ランキングTOP20 ※2019年を100とした場合の推移

対象の全83業種のうち、決定年収が上昇したのは53業種、減少したのは30業種で、約6割の業種で決定年収が増加している。決定年収の金額が10%以上アップしたのは83業種中10業種だった。

業種別で決定年収の上昇率が一番高かったのは「医療コンサルティング」で、25%以上アップした。2位はDX化の推進と新規事業拡大を図る「損害保険」で約23%、3位「日用品/文具/家具メーカー」では、約19%上昇している。