「お金に強くなるマネーカウンセリング」をモットーに年間100人以上のクライアントのお金に関する悩みを解決しているマネープランナーズの裏門が、今回解決するのは社会人7年目30歳女性のご相談。「老後2000万円でゆとりある生活は送れる? 生活水準をシミュレーションしてみよう!」という内容です。では、そのカウンセリング内容を見ていきましょう。

ご相談者の状況

相談者:増田さん(仮名)
    女性・30歳・会社員・年収450万円・社会人7年目

老後2000万円でゆとりある生活は送れるのでしょうか?また、老後2000万円での生活水準はどのようなものになるのか、シミュレーションしてみましょう。

増田さんの相談内容は以下です。

週刊誌で「老後2,000万円問題」が取り上げられている記事を読みました。少し耳にはしていたのですが、そもそも老後2,000万円も必要なのでしょうか?また、2,000万円もあれば贅沢な暮らしも出来るのかなと思ったのですが、実際の生活水準を教えてほしいです。

「老後2000万円でゆとりある生活は送れる?生活水準をシミュレーションしてみました!」

ファイナンシャルプランナーからの回答

それではファイナンシャルプランナーからの回答を見てみましょう!

➣まずは老後2000万円問題についておさらいしてみましょう!

そもそも「老後2000万円問題」とは、2019年6月に金融庁から提起された問題です。「金融審議会 市場ワーキング・グループ」がまとめた「老後資金の必要額は2,000万円」とする趣旨の報告書が提出されたことで、老後の貯蓄不足に対し日本中で大きな話題になりました。
具体的には、長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算が示されています。

➣老後2000万円を使う「ゆとりのある暮らし」の生活水準とはどのようなものでしょうか?


「ゆとりのある暮らし」とは『老後の最低日常生活』と『老後のゆとりのための上乗せ』の合計と定義されています。
生命保険文化センターの報告では、夫婦2人のゆとりある暮らしは平均”月36.1万円”が必要と報告されており、その資金内訳としては『旅行・レジャー』・『趣味や教養』・『日常生活費の充実』などが入っています。
※(出典)生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」

➣「ゆとりある暮らし」で定年から平均寿命まで長生きした場合、いくらかかるでしょうか?


「ゆとりある暮らし」には夫婦2人で平均毎月36.1万円の生活費がかかると分かりました。
では、65歳で定年を迎え、それぞれ平均寿命まで生きた場合には合計でいくらかかるのでしょうか。

年金受給額も加味しながら夫婦それぞれを見ていきましょう。

なお、内閣府の調査によると、2040年での平均予想寿命が男性84歳・女性90歳と予想されています。
また、一般的な夫婦の平均年金受給額を夫16万円、妻10万円と仮定します。

・夫婦が65歳定年から84歳までの19年間、ゆとりある暮らしをした場合
[必要生活費 月36.1万円 -( 夫 年金16万円+妻 年金10万円)]×12ヶ月×19年間で 総額2,302万円が必要となります。

加えて、妻が平均寿命90歳まで長生きした場合にはその分の生活費も必要となってきますね。

さらに、首都圏や都心部に住む方は他のエリアに比べて生活費が多くかかる傾向が高いため、さらなる貯蓄が必要となる可能性も高いと言えます。

まとめ

老後2,000万円問題はあくまでも平均的な話ですので、一概に老後必ず2,000万円足りなくなるとは言えません。ただし2,000万円でも全く足りない世帯も考えられます。そのため、「自分の場合はどうか」という視点を常に持っておくことが大切です。

そのため、老後の不足分に対して今から対策を打っていくことがより重要といえます。 老後2,000万円問題の報告書でも指摘されているように、資産運用を通じて老後の貯蓄をふやしていく方法を検討してみると良いでしょう。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー

裏門春菜(うらもんはるな)
所属:株式会社マネープランナーズ
2級ファイナンシャルプランニング技能士