キリンビールは1月6日、「2022年 事業方針発表記者会見」を開催し、2021年の振り返りとともに、2022年の取り組みや商品戦略について説明を行った。
同社の代表取締役社長 堀口 英樹氏は、「コロナの影響により、ビールを取り巻く環境は大きく変化した。今後業界の再活性化に全力で取り組んでいきたい」と語り、2021年の振り返りと2022年の取り組みついて説明した。
2021年は消費者の幅広い需要に対応 - ビール類市場を上回る実績に
「お客さまの幅広い需要に応える1年となった」と堀口氏は2021年を振り返る。健康志向の高まりに合わせ「糖質オフ・ゼロ」のノンアルコールブランドの育成やより良いものを求める需要に合わせクラフトビール「SPRING VALLEY 豊潤<496>」の発売を行ったことをアピール。その結果、販売市場前年比がビール市場-5%程度と予測される中、同社は-4.1%となり、市場を上回る実績に。特に、「一番搾り」缶商品 、「一番搾り 糖質ゼロ」が好調に推移し、ビールカテゴリーでは6年ぶりのプラス着地という結果となったという。
しかしながら、ビール類の市場は17年連続で減少しており、業界としては市場の活性化が課題となっている。堀口氏は、2022年は引き続き「一番搾り」に注力しつつ、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」を中心としたクラフトビール戦略にも力を入れていくと話す。
また、「本麒麟」のリニューアルや会員制の生ビールサービス「キリン ホームタップ」では、国内のクラフトブルワリー各社の参画導入を開始し、第1弾としてよなよなエールが2月から登場。今後もさまざまなクラフトビールが参画する予定だという。
業務用では、クラフトビールサーバーの「Tap Marche」や小型の容器で一番搾りを提供できる「TAPPY」を強化し、ビールの魅力化を図っていく考え。
広告や飲用体験などを強化、ビールカテゴリー拡大へ
続いて、同社の常務執行役員 マーケティング部長 山形 光晴氏が商品戦略について、説明した。
「一番搾り」ブランドは、TVCMやPRの展開、飲用体験などを通して、非ユーザーを取り込み、ビールカテゴリー拡大に貢献していくと説明。「SPRING VALLEY 豊潤<496>」は貴重な日本産ホップ「IBUKI」を一部使用し、おいしさの追求と飲み飽きない味わいを実現。2021年12月製造品から順次中味とパッケージがリニューアルされるとのこと。「本麒麟」もドイツ産ヘルスブルッカーホップ増量で「力強いコク・飲みごたえ」と爽やかなキレを追求した。いずれも、広告やPR、飲用体験などを通して、認知向上に繋げていくという。
ビール類以外の「氷結」ブランドでは、酎ハイの良さである「スッキリ爽快なおいしさ」を伝達していく。また、「発酵レモンサワー」ブランドでは、レモン果汁を発行させる酵母を見直し、現行の発行レモン果汁の香気成分が約15%向上し、レモンの風味を最大限に引き出せるよう進化した。
ビール類が多くの人に愛されるために、幅広い需要に応えてきたキリンビール。2022年は、さらなるビール類の魅力化・市場の活性化に本気で取り組むことを掲げた。