「1年の計は元旦にあり」という言葉があるように、1年の幸福を祈るために、元旦に初詣に出向く人は多いです。しかし、元旦の寺社は混雑していることが多く、人混みを避けるために時期をずらして参拝したい……。とはいえ、いつまでの参拝なら初詣にふさわしいのか悩みますよね。
この記事では、初詣にふさわしい時期とはいつまでなのかを解説します。また、参拝に適した時間や初詣の行き先選びのポイントについてもまとめたので、ぜひご一読ください。
初詣はいつまでに行けばいい? 適切な期間とは
お正月になると、家族や友達、仕事仲間などと一緒に初詣に出かける人も多いでしょう。これまでは元旦に初詣へ出かける人が多かったかもしれませんが、コロナ禍ということもあり感染対策のため時期をずらして参拝する人が増えています。
初詣に行くなら、初詣に適した時期はいつまでなのかを知っておきましょう。ここでは、初詣にはいつまでに行けばいいのかを紹介します。
初詣とは
初詣(はつもうで)とは、新年になって最初に神仏にお参りすることを指します。
江戸時代にはすでに、その年の恵方にある社寺に詣でる「恵方参り」の風習がありました。恵方とは、年ごとに定められた暦の上での運の良い方角で、2022年の恵方は北北西です。
さらに古い時期には、1日の境を日没時としており、大みそかの夕刻から一家の主人が神社に籠ったり、社前で火を焚いて夜明かししたりする「年ごもり」という風習があったことが知られています。
恵方参りと年ごもりの風習が初詣の元になったという説が有力です。除夜の鐘を合図に新年を迎える考え方となってから、現在の初詣の形に風習が変化したと考えられています。
できるだけ三が日に参拝するのが望ましい
初詣は、その年の最初に寺社へ参拝することを指します。できるだけお正月の三が日(1月1日~1月3日)のいずれかに、1年間の厄払いと無病息災を願って参拝しましょう。
大みそかにお寺に参拝し除夜の鐘を聞いてから、そのまま神社に初詣に向かう人も多いです。
三が日に行けなければ松の内に参拝する
仕事や挨拶回りなどで三が日に初詣に行けなかった場合には、松の内に参拝するのが望ましいです。松の内とは新年を祝う期間で、門松などの松飾りを飾っておく間を指します。
松の内の期間は地域によって異なり、正月7日間や15日までを指すことが多いです。
初詣に行けなかった場合は小正月か節分までに参拝する
初詣に行けなかった場合でも、できるだけ寺社への参拝を行いましょう。できれば小正月(1月15日)か節分(2022年は2月3日)までに参拝するのが望ましいです。
節分は立春の前日に当たり、季節の変わり目と考えられていました。旧暦では立春が正月だったため、それまでに参拝するのがいいとされています。
松の内が明けてから節分までの時期に参拝することで、混雑を避けての参拝が可能です。
初詣に行く時間帯とは
神社は普段15時や16時には門が閉まることが多いです。また、神社への参拝は、夕方以降は避けた方がいいという説もあります。
ただし、初詣の時期には1日中参拝できる神社も多いです。ここでは、初詣に行くのに適した時間を紹介します。
なるべく早く参拝する
初詣は、1年間の無病息災や平穏無事などを神仏にお願いするために行います。新しい1年が始まったら、できるだけ早く出かけるのが望ましいです。
可能ならば元旦の午前中に出向きましょう。神社によっては、大みそかの夜からずっと開放されていることもあり、除夜の鐘をついてからそのまま出向くのもおすすめです。
参拝できる時間を調べておく
参拝客の多さで有名な神社を中心に、お正月になると24時間参拝できる神社もあります。ただし神社によっては参拝時間が限られていることもあるので、あらかじめ調べておきましょう。
お寺に初詣に行く場合は、お参りできる時間が限られていることが多いので、閉門時間を確認してから出向いてください。
夜に参拝できる神社もある
神社には寺院のような門がないことも多く、いつでも参拝できる神社もあります。また、お正月期間は通常より参拝できる時間が長い神社も多いです。
ただし、神社への参拝はできても、社務所が空いていないとお守りやお札の授与や、御朱印を受けられない点に注意してください。
初詣の混雑を避けるには?
せっかく初詣に出向いても、混雑しているとなかなか参拝する場所まで辿り着けないこともあります。コロナ禍で、混雑を避けたいと考える人も多いでしょう。
そこで、初詣の混雑を避けるにはどうすればいいのかを紹介します。
元旦は混雑する
多くの寺社では、元旦の朝から昼にかけては、初詣客の混雑がピークになります。
どうしても元旦に参拝したければ、ピークとなる時間帯を避けると混雑は緩和されるでしょう。
有名な寺社は混雑する
初詣の人出が多いことで有名な寺社へ出向く場合、元旦だけでなく三が日は、混雑は避けられません。参拝者数の多さがニュースになるような有名神社では、場合によっては初詣に半日かかることもありますので、時間がかかることを覚悟して出向きましょう。
遅い時間帯の方が混雑しにくい
神社へ初詣に出向く場合、日が暮れてから行くべきではないと考えている人も少なからずいます。そのため神社への初詣は、遅い時間帯の方が混雑しにくいです。
三が日を過ぎると落ち着いている
三が日はお正月休みになっている会社も多く、都市部にある寺社や地域の代表的な寺社では、混雑していることが多いです。
三が日を経過すると人出は落ち着きます。混雑を避けて初詣したいなら、三が日を過ぎた松の内に参拝しましょう。
初詣はどの神社やお寺に行くべき?
初詣に行くためには、参拝する神社やお寺をどこにするかを決めなければなりません。家族での習慣で参拝先が決まっていない場合は、行き先に迷うこともあるでしょう。そこで、初詣の行き先選びのポイントを紹介します。
三が日には地元の寺社への初詣がおすすめ
初詣の目的は、氏神様や歳神様に、前年を無事に過ごせた感謝を伝えるとともに、新年も無事過ごせるように祈願することにあります。氏神とは氏族や住んでいる土地などを守る神のことで、歳神とはその年の恵方の方角にいる神のことです。
信心深い方なら、氏神様と歳神様両方の寺社にお参りするのもいいでしょう。
有名な寺社へは三が日を過ぎてから
有名な寺社は、三が日の間は大変な混雑です。三が日には地元の寺社へ参拝して、三が日を過ぎてから有名な寺社へ参拝すると、混雑を避けられます。
喪中は神社への初詣を控える
身内が亡くなって喪中の場合は、お祝いごとである初詣を避けることとされています。喪中の場合は神社への参拝はお正月期間を過ぎてからにしましょう。どこまでがお正月期間に当たるのかは、家庭や地域などによって異なります。
また、忌中の場合は、初詣だけでなく神社への参拝を避けるほうがよいでしょう。
喪中でもお寺への初詣は問題ない
寺院へ参拝することは故人への供養になると考えられているため、喪中や忌中でも参拝して問題ありません。
喪中とは親族や家族が喪に服している期間で、一般には1年間です。忌中とは近親者が亡くなった事で喪に服し、お祝い事などを慎んでいる期間で、仏教なら49日、神道なら50日の法要までを指します。
喪中や忌中でも初詣をしたければ、寺院を選ぶのもいいでしょう。
初詣は三が日に混雑を避けて早めに参拝しよう
初詣とは、お正月に氏神様やその年の恵方に当たる神社仏閣に参詣することです。元旦や三が日は初詣に来る人が多く混雑しているため、時期をずらして参拝する人も増えています。
しかし、三が日に参拝できない場合は松の内に、松の内までに都合がつかなかった場合には小正月か節分までに参拝しましょう。
初詣の時間帯は、お正月ならなるべく早い方が望ましいです。しかし時間帯によってはかなり混んでいますので、混雑を避けたければその時間帯を避けて参拝しましょう。
初詣は1年の幸福を祈るための参拝ですので、できるだけ早い方が望ましいです。ぜひお正月の計画に組み入れてください。