「お伊勢参り」という言葉を初めて知ったのは、歴史マンガに出た十返舎一九の『東海道中膝栗毛』だった記憶のある筆者。その割に、小学校の修学旅行で伊勢に行った時の思い出が「赤福」のみという不心得者です
先日、ひょんなことから伊勢市に宿泊できたので、きちんとした? お伊勢参りに挑戦してきました。
伊勢神宮を自転車でめぐる
伊勢宿泊に伴い、事前に情報収集したところ、そもそも伊勢神宮は外宮と内宮の二つからなり、前者は豊受大御神(とようけのおおみかみ)、後者は天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)を主祭神としています。
一般常識に問題のある筆者なので、天照大御神は知っていましたが、豊受大御神のことは知らず。また、外宮と内宮が離れた場所にあり、それぞれ創建された時代も違うと初めて知りましたよ! 「近所の神社にお参り」くらいの意識でいたら、規模が全然違います。
習わしでは、外宮を参拝した後、内宮に参拝するのが定石のようです。バスを使って回るのが多いみたいですが、天気も良いし、せっかくだから街中もフラッと見てみたい! そんなわがままの筆者が選んだのは、電動アシスト自転車。
伊勢市駅前にある「手荷物預かり所」で最大8時間レンタル可能でした。恐らく自転車で20~30分くらいで到達するので、よい運動になりそうです。
外宮を30分で参拝する
これで「足」は確保できましたが、もう一つの問題が参拝ルートでした。外宮・内宮とも敷地が広く、すべて回ると時間が足りません。そんな時に役立ったのが伊勢神宮の公式サイトです。実はモデルコースも分かりやすく用意してくれているのです。これはありがたい!
しかも外宮が「30分コース」「60分コース」、内宮は「60分コース」「90分コース」と2通り用意されています。時間が限られているため、今回は共に短いコースで回ることに。
ということで外宮を作法通りにお参りします。敷地内は冷たい空気と、豊富な緑によりまさに「聖域」という厳かな空気が漂う空間ですね。
火除橋→手水舎→正宮 豊受大神宮→古殿地→三ツ石→別宮 多賀宮→別宮 土宮→別宮 風宮→外宮神楽殿
上記の参拝ルートでお参りしますが、とにかく短縮コースでもたくさん歩いて回る必要があります。しかし、日本最高位の神社ですから、不思議と疲れを感じず、足がどんどん進みます。
また木々が多いのはもちろん、樹齢何百年という立派な木や御神木のような特別な木もあり、心が清々しくなり、癒やされる気持ちが高まります。
そして、いよいよ正宮に。中は当然撮影禁止ですが、外観は大丈夫です。豊受大御神を祀る御正殿が建っているそうですが、神聖な場所ですから当然一般の人は近付けません。
参拝して気付いたのは、拝礼時のお賽銭が普段以上に必要なこと! 正宮、別宮と数が多いので、都度小銭が必要になります(お札を出す猛者は除く)。
内宮は60分で参拝
続いては、内宮へ。バスだと10分程度のようですが、自転車なので20~30分になります。実は途中、坂道があり、電動アシスト自転車ではないとつらい場面もあるので要注意。ただ、秋から冬にかけてのこの時期、日差しもあったので気持ちよくサイクリングを楽しめます。
道路に標識が出ているし、スマホなどの地図アプリも使えば、道に迷うことは無いでしょうね。こうして、無事に内宮へ到着。天照大御神が祀られる最も尊い聖地です。
外宮と同じく、伊勢神宮公式サイトを参考に「60分コース」で参拝します。内宮は外宮以上に敷地が広く、少し雰囲気が異なる印象を受けますね。
宇治橋→手水舎・御手洗場→手水舎・御手洗場→瀧祭神→正宮 皇大神宮→御稲御倉→別宮 荒祭宮→別宮 風日祈宮→内宮神楽殿→参集殿
広い内宮ですが、足の疲れを感じず参拝できました。この1日でかなり心と体が「清らか」になった気がします。元々古い建物が好きで、散歩していて神社があると寄りますが、今回のように作法を意識してお参りすることはありません。
自転車だと近所も回れる
数多い、日本全国の神社でも別格の「清浄な空間」でリフレッシュするのはいいものですね。
なお、内宮のそばには、門前町である「おはらい町」「おかげ横丁」があります。お伊勢参りの風情や賑わいを感じるには絶好の場所ではないでしょうか。
ということで、最初は不安半分の自転車による「お伊勢参り」。外宮・内宮の周辺の街並みも楽しめ、時間も気にせず動けるのでお勧めです。
特に観光地でない、「日常生活を感じる」場所を散策できるのは自転車の良さだと思います。
なお、レンタル自転車は台数に限りがあること、電動アシスタント自転車が一部なので注意してください。