フランスのタイヤメーカーである日本ミシュランタイヤは12月3日、厳選した飲食店・レストラン、宿泊施設を紹介する 『ミシュランガイド東京 2022』(3,498円)を発売する。それに先駆けて11月30日、東京の全セレクションが発表された。

  • オンラインで開催された『ミシュランガイド東京 2022』発表会。登壇した日本ミシュランタイヤ代表取締役社長の須藤 元氏、ミシュランマン、ミシュランガイド事業部ブランドライセンス事業部執行役員の本城征二氏

三つ星12軒は昨年の評価を維持

「ミシュランガイド東京」はアジアで初めてのミシュランガイドとして発行し、今年で15周年を迎えた。「東京はその星の多さからも明らかなように、世界最大の美食都市であることを毎年証明しています。今年も、豊かな食文化を反映した素晴らしいセレクションとなりました」と日本ミシュランタイヤ代表取締役社長の須藤 元氏。

今年は、36料理カテゴリー、総掲載数432軒を掲載。三つ星は12軒すべてが昨年の評価を維持し、そのうち3軒「かんだ」「カンテサンス」「ジョ エル・ロブション」は2008年版以来15年連続の掲載となる。いずれも持続可能なガストロノミーへの意識も高く、環境保全を実践しつつ、芸術の域に達した卓越した料理を提供し続けているという。

二つ星は41軒、一つ星は150軒、ビブグルマンは229軒だった。新規掲載店は55軒と、変化が速い東京の特徴を今年も反映した。

一つ星から二つ星に評価の上がった飲食店・レストランは、フランス料理「アサヒナガストロノーム」、フランス料理「クローニー」、寿司「日本橋蛎殻町 すぎた」の3軒。一つ星の新規掲載店は日本料理「空花」やフランス料理「ヌー トウキョウ」など20軒。ビブグルマンの新規掲載店は、「立喰い寿司あきら」、日本料理「かつお食堂」など35軒。

(1)素材の質、(2)料理技術の高さ、(3)味付けの完成度、(4)独創性、(5)常に安定した料理全体の一貫性のミシュランガイド独自の5つの基準により評価。三つ星(そのために旅行する価値のある卓越した料理)、二つ星(遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理)、一つ星(近くに訪れたら行く価値のある優れた料理)、ビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)で表現される。

サステナブルガストロノミーを積極的に推進している飲食店・レストランを紹介する「ミシュラングリーンスター」は14軒と、昨年から8軒増えた。未利用魚や規格外の野菜の活用、自然循環に配慮して育てた野菜を仕入れる、フェアトレードのチョコレートやコーヒーを使用する、コンポストで生ごみを土に還す、小学校でエシカル消費について指導する、日本の伝統文化を内装やテーブルウェアに取り入れるなど、それぞれ持続可能な取り組みを実践している。

また、個人を対象とした二つのアワードを日本のミシュランガイドでは初めて新設。自身の仕事やキャリアが手本となるようなシェフに授与される「メンターシェフアワード」に日本料理「かんだ」の神田裕行氏、訪れる人を心地良くすることができる、おもてなしに優れたスタッフに授与される「サービスアワード」はフランス料理「オマージュ」の荒井麻友香氏が受賞した。

ミシュランガイドは1900年にフランスで初めて発行された。タイヤメーカーであるミシュランが当初ドライバーのために作成したガイドだった。1926 年に「おいしい料理を星の数で表す」評価法がスタート。現在では世界中で美食ガイドの代表格となっている。