昨今、つみたてNISAやiDeco(イデコ)などを活用して老後の資産形成をしようという流れがありますが、そもそも年金はいくらもらえるのでしょうか? この記事では2020年度の平均の給与と言われている年収400万円の人が、将来いくら年金が受け取れるか解説していきます。
職業でもらえる年金は変わる~年金の種類~
現在日本の年金の仕組みは3階建てになっています。1階が国民年金、2階が厚生年金、そして3階部分が確定拠出年金です。しかし、全ての人が3つとももらえるわけではありません。被保険者の種類などによって異なります。
第一被保険者 主に自営業者やフリーター
第二被保険者 会社員と公務員
第三被保険者 専業主婦の方など
例えば第一被保険者は、強制加入の国民年金だけなので、受給できる金額は1階建て部分のみです。対して第二被保険者は、国民年金と、2階建ての厚生年金部分ももらえるので、この2つを合計した金額が受給金額になります。
今回は厚生年金がもらえる第二被保険者の方たちにスポットをあてて解説します。
国民年金はいくら?
日本国内に居住している20歳~60歳未満の全ての人が加入している年金制度があります。これは国民年金と呼ばれるもので、いわゆる1階建ての部分になります。
この国民年金は年収や職業によって保険料は変わらず、受給金額も一定です。令和3年度の保険料は毎月16,610円で、国民年金の受給金額は年間780,990円となり月にすると65,075円が支給されています。
年収400万円のサラリーマンがもらえる厚生年金はいくら?
厚生年金とは国民年金に上乗せして支給されるもので、合算したものが実際の受給額になります。
国民年金の一律受給と違って、厚生年金部分は(1)加入期間(2)標準報酬月額・賞与額(給料やボーナス)によって変わります。加入期間が長ければ長いほど、そして収入が高ければ高いほどもらえる年金額も多くなります。
それでは、年収400万円のサラリーマンが老後いくら年金をもらえるのかを見ていきましょう。
まず老齢年金の計算式がこちらになります。
A=平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数
B=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数
A+B=老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額
平均標準報酬月額とは、被保険者であった期間の標準報酬月額(※)の合計を被保険者であった期間の月数で割った額です。
※平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の第2号厚生年金被保険者期間に係る各月の標準報酬月額の総額と標準賞与額の総額の合計額をその第2号厚生年金被保険者期間の月数で割った額です。
厚生年金の試算はこのように複雑で、ご自身の年収や賞与によって差が出てくるので詳細を出すのは難しいです。
ですので仮に試算した場合になりますが、大学卒業後、23歳~60歳の間、保険料を支払ったケースで想定すると、平均年収400万円の方がもらえる厚生年金の月額は約7万円となります。
金額を正確に把握されたい方は、ご自身の誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」から確認してみてください。
まとめ
自分自身の公的年金の受給額を把握することで、老後いくらお金が必要になるのかが明確になり、資産形成の道筋も立てやすくなります。
我々が老後を迎える頃は、年金だけでは生計は成り立たないと言われてますが、国から受け取る年金が収入の柱になってくることは変わりませんので、まずは年金の受給額を把握して、将来の資産推移がどうなっていくのか分かるライフプランを作ってみてはいかがでしょうか。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー
髙上凛太郎(たかがみりんたろう)
所属:株式会社マネープランナーズ
2級ファイナンシャルプランニング技能士