多くの銀行において、銀行口座を開設する際に必要となるのが銀行印です。押印した印影を登録して本人確認の照合に使う他、開設後のさまざまな手続きにも使われます。個人の財産を管理するために使う印鑑ですので、印鑑の選び方にも慎重になる人も多いでしょう。
この記事では、銀行印とはどのような印鑑なのか、必要になるシーン、銀行印に使える印鑑や銀行印のサイズ・刻印内容などを紹介します。
銀行で財産をしっかり管理したいと考えている方に役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。
銀行印とは
「銀行印」とは銀行への届出印として使われる印鑑や、それを押すためのはんこのことです。預金口座からの出金など、銀行でのさまざまな手続きに使われます。
印影を銀行に登録して照合する
ATMでは取り引きできる金額に上限があり、窓口で手続きすることがあります。銀行の窓口で預金口座から出金する場合、お金を下ろす人が預金者本人で間違いないかどうかを確認しなければなりません。
銀行口座開設時に届け出ていた印鑑と、持参したはんこで押した印鑑が同じものかどうかを照合することで、本人確認が行われます。
窓口では印鑑の他に本人確認書類の提示が必要なこともある
銀行の窓口に銀行印を持参しただけでは、本人確認はできません。本人確認には銀行印の他に本人確認書類が必要です。
本人確認書類には下記のようなものがあります。
個人 | 法人 |
・運転免許証 ・運転経歴証明書 ・パスポート ・マイナンバーカード ・官公庁が発行し顔写真がある福祉手帳 ・戸籍謄本 など |
・登記事項証明書 ・印鑑登録証明書 ・官公庁から発行された書類 ・定款 など |
とくに10万円を超える取り引きでは必要となることが多いので持参してください。
銀行印の届け出が不要な銀行も増えている
これまでの銀行では銀行印の届け出は必要でした。しかし、インターネットバンクを中心に、銀行印を届け出しなくていい銀行も増えています。
銀行印の代わりに、サインや暗証番号などの届け出が必要です。
認印や実印とは別にするのがおすすめ
実印とは役所に印鑑登録した印鑑やはんこのことで、本人確認などに使われます。偽造リスクを下げるためにも、銀行印とは別のものを登録しましょう。
認印とは実印登録をしていない個人の印鑑やはんこのことです。日常生活でよく押されるものです。他の人の目に触れることが多いため、こちらも銀行印とは別のものを使いましょう。
銀行印を紛失したらどうする?
銀行印は財産を管理するための大切なものです。もし紛失してしまったら、悪用を防ぐために下記の手続きを行いましょう。
- 銀行取引を止めるために紛失届を提出
- 新しい銀行印を登録するために改印届を提出
- 警察へ届け出する
状況に応じて必要な手続きを行ってください。
銀行印はいつ必要?
銀行印は銀行でのさまざまな手続きで必要ですので、大切に管理しましょう。ここでは、銀行印が必要となるシーンを紹介します。
口座開設
銀行口座開設時に銀行印が必要な銀行はまだまだあります。これから口座開設するなら、銀行印の届け出が必要かどうかを確認して、必要に応じて準備してください。
窓口での引き出し
ATMを使わずに、窓口で預金を引き出す時にも、銀行印が必要です。ATMで手続きできないような高額紙幣を引き出す場合には、忘れずに持参しましょう。
窓口での口座振替
窓口で口座振替を申し込む時や、公共料金などの口座引落の申し込みでも、銀行印が必要です。銀行印を用紙に押すことで、間違いなく本人が申し込んでいることを確認します。
ただしネットバンクなど、銀行印が不要となっている銀行も増えています。
銀行印として使える印鑑・はんこ
銀行印は財産を守る要となる重要なものですので、慎重に選びましょう。ここでは、銀行印として使うのにふさわしい印鑑・はんこ選びのポイントを紹介します。
大きさの規定はない
銀行印には実印のような、厳密なサイズの規定はありません。はんこ専門店でよく銀行印として販売されているのは、12mm~15mm程度です。
多くの場合実印と間違いにくいように、実印よりは少し小さめのサイズで作られます。
四角い印鑑も銀行印として使える? 登録できる形状とは
銀行印といえば丸印(丸い印鑑)を思い浮かべる人が多いかも知れませんが、角印(四角い印鑑)でも問題ありません。丸印の方が銀行印としては一般的ですので、角印を使っている人は少ないです。他の印鑑と間違えにくいことから、悪用リスクを防ぐにも適しています。
ゴム印やキャラクターの印鑑はNG
銀行印を押すためのはんこは、変形や劣化しやすい材質のものはNGです。劣化すると届け出た印鑑との照合が難しくなってしまいます。
いも判や、ゴム印は劣化しやすいため、銀行印としては使えない点に注意してください。使えるはんこの材質は銀行によって多少異なりますので、口座開設したい銀行に確認してください。
百均などで買える三文判の使用は避けるのがおすすめ
銀行印は銀行に預けた財産を守るために重要なものです。誰にでも手に入るようなはんこを選ぶと、悪用されるリスクが高くなってしまいます。
三文判など低価格で誰でも購入できるようなはんこの使用は避けましょう。できれば銀行印として自分専用のはんこを作成するのが望ましいです。
銀行印のサイズや刻印内容
これから銀行印を用意するなら、サイズや文字など決めるべき点は多いです。そこで、銀行印によく用いられる大きさや刻印すべき内容などを見ていきましょう。
銀行印の定番サイズ
銀行印としてよく選ばれる大きさは、男女によって異なります。
女性 | 12mm~13.5mm |
男性 | 13.5mm~15mm |
男性の方が、手が大きい人が多いことから、大きめのサイズが選ばれています。
銀行印の刻印内容
銀行印への刻印は名字(姓)で作る人が多いです。しかし、姓・名・フルネームいずれでも問題ありません。男性は名字を選ぶ人が多いです。女性も名字を選ぶ人が多いですが、結婚や離婚で姓が変わることが男性に比べて多いことから、名で作る人もいます。
文字の配置は縦書きでも横書きでも問題ありません。
銀行印によく使われる字体とは? 篆書体は使える?
銀行印によく使われる字体は、すぐには読みにくい字体ではある吉相体(きっそうたい)です。同じく読みにくい字体である篆書体(てんしょたい)が用いられることも多いです。
隷書体(れいしょたい)や古印体(こいんたい)などの読みやすい字体は、認印にはよく用いられます。しかし読みやすく偽造の心配があるため、銀行印には不向きです。
法人銀行印の刻印内容とサイズは?
法人用の銀行印には、2種類のタイプがあります。1種類目は縦書きまたは横書きで、法人の名称と「銀行之印」という文字を組み合わせたものです。
もう1種類は印鑑の中に円が描かれていて、外側に法人名、中央にある円の中には「銀行之印」と刻印されます。
法人の銀行印は個人の銀行印に比べて刻印する文字が多いです。そのため、個人の銀行印より大きい16.5~21mm程度で作られます。
銀行印が必要な銀行はまだまだ多い! 悪用されにくい印鑑やはんこを選んで登録しましょう
銀行印とは銀行で口座開設するのに必要な届出印のことです。窓口でお金を引き出す際や口座振替する際などに、本人確認の一環として照合されます。銀行印を届出不要な銀行も増えていますが、その場合はサインや暗証番号などが代替手段です。
銀行印として使える印鑑やはんこに大きさの規定はなく、丸印だけでなく角印を使っても構いません。ただし、ゴム印は使えませんので注意しましょう。刻印内容としては名字で作る人が多いですが、姓・名・フルネームどれを使っても問題ありません。
銀行印は個人の財産を管理するための重要なアイテムです。この記事の内容を参考に、ぜひ悪用しにくい印鑑を登録してください。