ザクロの栄養素はビタミンCやポリフェノール、カリウムなどがあります。独特の食感とさわやかな甘みを持ち、むくみの解消や肌荒れ対策などに効果があるとされています。
今回はザクロの栄養素や効能について解説します。妊娠中の方にも嬉しい効能が見込める果実です。
ザクロとは
ザクロとはザクロ科ザクロ属の落葉小高木で、先の尖った球形の果実をつける果物です。漢字では石榴や柘榴と書きます。英語の表現では「Pomegranate」といいます。
赤い果実は熟すと皮が自然と裂けてきて、中には宝石のルビーのように真っ赤で透明な果肉に近い外種皮が露わになります。この外種皮の中にある種を取り除いた部分がザクロの可食部です。
ザクロの外種皮はさわやかな香りと甘酸っぱい独特の風味が特徴です。果汁のみではより強い酸味を感じる場合があるため、ハチミツやシロップと混ぜると味を調整できます。
イランやアメリカが主な産地
ザクロの原産地はイランとされており、日本には平安時代に渡ってきたとされています。現在では暖かい場所でよく育つことから、イランやアメリカなどで食用として栽培しており、たとえば生食やジュースに使うものとしてザクロが提供されているのです。
果実の中に種がたくさん入っているザクロは、世界中で子孫繁栄や希望の象徴とされており、赤く美しい色彩と豊富な栄養素から「女性の果実」や「果実の宝石」などと呼ばれ、親しまれています。
日本ではザクロは赤い果実や熟れて割れる様子が美しいとされ、食用よりも観賞用として栽培された歴史があります。根や茎の部分など、果肉や外種皮以外を薬用として使う場合もありました。たとえば、害虫駆除や整腸に効果のある薬の素となりました。そのため、食用のザクロのほとんどは国産ではなく、海外からの輸入品です。
ザクロの種類
ザクロは花を鑑賞するための「花ザクロ」と、食用に栽培される「実ザクロ」の大きく2種類にわけられます。たとえば、実ザクロでは大きな産地であるアメリカのカリフォルニア州の「ワンダフル」が代表的な品種です。酸味と甘みがほどよく、スーパーでみかける機会が多くなっています。
ほかには大型の実ザクロである「ルビーレッド」などがあります。国産のザクロはあまり流通していませんが、「大実ザクロ」と呼ばれる、甘みの強いザクロの品種があります。
一般的なカリフォルニア産のザクロの旬は9月から11月で、国産の場合は夏の終わりから秋まで収穫されます。
美味しいザクロの選び方
ザクロは熟す前の皮が裂けていない状態で売られていることがほとんどです。美味しいザクロを選ぶポイントのひとつが重さです。ずっしりと重量感があり、皮が赤く色づいているザクロは美味しい状態になっています。また、皮に傷がないザクロを選びましょう。
自然に皮が裂けて外種皮が露出した状態がザクロの食べ頃です。しかし、しっかりと重さがあるもの選んだ場合は食べ頃になっている可能性が高いため、皮を切って外種皮を取り出して食べましょう。
ザクロの外種皮をそのまま食べれば、甘酸っぱくプチプチとした食感を楽しめます。サラダやヨーグルトなどのトッピングとして使えば、さわやかな酸味と彩りがアクセントになります。果汁を絞ってジュースとして使うこともできます。砂糖を加えてシロップやジャムにするなど、さまざまな料理を引き立てる効果もザクロにはあるのです。
ザクロの保存方法
ザクロは皮が裂けていない状態であれば、常温保存でも日持ちする果物です。ビニール袋で冷蔵保存すると数週間から2ヶ月間ほど持つ場合があります。
外種皮を取り出した後の保存方法としては、密閉して空気に触れさせないようにしましょう。密閉して冷凍保存することもおすすめです。また、既に熟している場合は果汁や水分が出てくるため、保存する場所や容器に注意しましょう。
外種皮の取り出し方
ザクロは果実の中に外種皮と呼ばれる赤く小さな粒が詰まっています。ザクロの皮が裂けていない状態で包丁を入れて切ると、豊富な果汁が溢れて処理が大変です。ザクロの取り出し方にはコツがあります。
具体的にザクロの外種皮を上手に取り出すには、水を張ったボウルや皿を用意して、その中で作業をしましょう。ザクロの先端をカットして、十字に切れ目を入れます。ザクロの内部は白い房が壁となり仕切りができています。切れ目を軸に、その白い房を水中で割りほぐしていけば、外種皮がポロポロと剥がれていきます。水中で作業することで、果汁で汚れることなく、外種皮を綺麗に取り出せます。
また、外種皮の中に入っている種はそのまま食べられますが、固い食感であるため、基本的には種を取り出して食べます。種を取り出すのが面倒である場合は、ほかのフルーツと一緒に種を含んだ外種皮ごとミキサーに入れてスムージーにすることがおすすめです。
ザクロの栄養素
ザクロにはビタミン類やポリフェノールが豊富に含まれています。ザクロに含まれる栄養素を解説します。
ビタミンC
ザクロの代表的な栄養素はビタミンCです。ビタミンCは抗酸化作用があり、紫外線やストレスへの抵抗力を強める効果があるとされています。体が酸化することを防ぎ、病気や肌荒れの原因を減らします。
カリウム
ザクロにはカリウムも含まれています。カリウムは体の細胞を正常な働きに戻して、体に溜まった余分なナトリウムや水分を体外へ排出する働きがあるとされています。高血圧の予防や改善に期待できる栄養素です。
ザクロの効能
ザクロにはビタミンCやカリウムなどが含まれており、動脈硬化や妊娠中の肌荒れに効果があるとされています。ザクロの効能を解説します。
むくみの解消
ザクロに含まれている豊富なカリウムにより、体の余分なナトリウムや水分が体外へ排出されることで、むくみの解消につながります。むくみは細胞間に水分が溜まることで発生するため、改善に効果があるとされているのです。
動脈硬化の予防
ザクロは塩分を排出して血圧の上昇を防ぐカリウムや血中の悪玉コレステロールを減少されるビタミンCなどにより、高血圧や動脈硬化の予防に期待できます。悪玉コレステロールは血管の内壁を脂質で分厚くするため、動脈硬化を引き起こしやすくなります。
抗炎症作用
ザクロの赤色を作り出しているポリフェノールの一種であるアントシアニンやエラグ酸は抗炎症作用があるといわれています。体内の炎症を抑えたり、活性酸素を取り除いたりして、体の抵抗力を強める効果が期待できます。
妊娠中の肌荒れ対策
ザクロは妊娠中でも安心して食べられる果物です。ホルモンバランスが乱れやすい妊娠中は肌荒れやストレスが発生しやすくなっています。ザクロに含まれるビタミンCは肌荒れ対策に一役買うといわれています。
ザクロの栄養素はむくみの解消や肌荒れに効果的
ザクロはザクロ属の先の尖った球形の赤い果実をつける果物です。可食部は果実そのものではなく、中に実っている皮と種を取り除いた真っ赤な外種皮の部分や果汁です。ザクロの栄養素はビタミンCやカリウムなどで、むくみの解消や動脈硬化の予防に効果があるとされています。
ルビーのように真っ赤で美しい外種皮を生食で楽しんだり、色彩を活かして料理の彩りとしてトッピングに使ったりできます。果汁はジュースやフルーツソースになります。選ぶ際は果汁が詰まった重量感のあるザクロをみつけましょう。