お菓子に入っていたり、カレーなど料理のトッピングにも使われたりするレーズン。レーズンは栄養価が高く、食べることで健康効果が期待できる食材のひとつです。食べる機会は多いけど、レーズンの栄養素についてや期待できる効果・効能については詳しくないという人は多いのではないでしょうか。
今回はレーズンの種類から、栄養素、期待できる効果・効能について解説。さらに、子どもへの与え方や妊娠中、ダイエット中の食べ方もご紹介します。
レーズンとは?
レーズンとは「干し葡萄(ぶどう)」のことをいい、名前のとおり干した葡萄のことです。生のぶどうを干して作りますが、1kgのぶどうからわずか200gのレーズンしか作れません。レーズンにはそれだけうまみや栄養がギュッと濃縮しているのです。
レーズンの種類
頻繁に食べていても気づかない人も多いかと思いますが、レーズンは全て同じではなく、ぶどうに種類があるようにレーズンにも産地などの違いによる種類があります。
・カリフォルニアレーズン
アメリカのカリフォルニア州で作られている「カリフォルニアレーズン」は、世界のレーズン生産量の約40%を占めています。「トンプソンシードレス」という種なしぶどうが使われていることが多いです。
甘み、香り共に強く、ほどよい酸味があり、粒が大きめで食べ応えもあります。そのまま食べてもおいしいうえに、お菓子やトッピングにも使いやすい種類です。
・サルタナレーズン
「サルタナ」という種なしぶどうを原料にし、天日干しをして短時間で作られています。色が淡く明るいため、ゴールデンレーズンとも呼ばれることも。
皮が薄いため柔らかく、歯ごたえのあるレーズンがあまり好きではない人にも食べやすいです。
甘み、酸味がほどよく、ぶどう本来の味わいを楽しめます。
・グリーンレーズン
中国で日陰干し乾燥して作られている、マスカットを使って作られているレーズン。グリーンのきれいな色をしているのが特徴で、ほかのレーズンと混ぜると色の違いを楽しめます。
甘さは控えめで適度な酸味が感じられるため、すっきりとした味わいです。
・マスカットレーズン
サルタナとマスカットを掛け合わせた新種の「サンマスカット」を使って作られているレーズンです。「サンマスカットレーズン」とも呼ばれています。
マスカットのような酸味が特徴で、ワインなどアルコール、チーズとの相性も抜群。おつまみとしてそのまま食べたり、料理のトッピングとして使ったりして楽しめます。
レーズンの食品成分
100gあたりのレーズンの食品成分は下記のとおりです。レーズンのカロリーなどを知りたい方はぜひ参考にしてください。
重量 | カロリー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
100g | 324kcal | 14.5g | 2.7g | 0.2g | 80.3g | 1.9g |
レーズンの栄養素と期待される効果・効能
レーズンは積極的に摂取したい食材のひとつ。日常生活では摂取しにくい栄養素も含まれていますので、いくつか紹介します。
カリウム
レーズンには生のぶどうに比べ、約5倍のカリウムが含まれています。カリウムは体の水分バランスを整えたり、ナトリウム(塩分)の排出を促したりする働きがあり、むくみ予防や血圧を下げる効果が期待できます。
食物繊維
レーズンは「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方をバランスよく含んでいます。 「水溶性食物繊維」は水に溶ける食物繊維で、糖質の吸収を穏やかにしたり、コレステロールの吸収を抑えたりします。腸内環境を整える効果も期待できます。
「不溶性食物繊維」は水に溶けない食物繊維で、便のカサを増やし、腸を刺激して排便を促す作用が期待できる食物繊維です。 両方の食物繊維を含むレーズンを摂取することで、便通を整え、糖の吸収を穏やかにし血糖値の急な上昇をおさえ、コレステロールを吸着し排出する、といった効果が期待できるのです。
鉄分
鉄分が不足すると酸素を十分に運搬できなくなり、貧血の症状が起こる場合があります。体がだるくなったり、息切れをしやすくなったりと、生活にも支障をきたすこともあるため、きちんと摂取したい栄養素のひとつです。
ポリフェノール
抗酸化作用で知られるポリフェノールもレーズンに含まれる成分のひとつです。ポリフェノールにはさまざまな種類がありますが、レーズンに含まれるポリフェノールの主なものは以下になります。
・エピカテキン(カテキンの一種)
抗酸化作用、抗ウイルス作用、殺菌作用・抗菌作用などのほか、コレステロールを下げる、血糖の上昇を抑える作用、などが期待できます。
・アントシアニン
青紫色の天然色素で抗酸化作用があり、特に眼精疲労など目の健康を守る効果が期待できます。
レーズンは子どもが食べても大丈夫?
現代人に不足しがちな栄養素をしっかり摂取できるレーズン。大人だけが食べるのではなく、ぜひ大切な子どもに食べさせたいと思う親御さんも多いのでは。 栄養満点なレーズンは、子どものおやつにもぴったりです。
離乳後期である9カ月以降の乳幼児は鉄欠乏に陥りやすいといわれています。鉄分を補給できるレーズンは最適です。 また、乳幼児は甘みを好みますが、健康のためや虫歯の予防のためにも、砂糖の摂り過ぎは注意したいもの。ブトウ糖と果糖の甘みのあるレーズンは甘く乳幼児の好きな味わいなので、喜んで食べてもらえます。
レーズンは噛みごたえのある食感が特徴ですから、噛むトレーニングにもなります。しかし、まだ上手に噛めない乳幼児に与える際は注意が必要。与える前にレーズンをお湯、または水に漬けて柔らかくした後、水気をきり細かく刻んで与えるようにしましょう。
妊娠中のおやつにもおすすめ
いつも以上に栄養バランスに注意したい妊娠中のおやつにも、ビタミンや葉酸、鉄分など、さまざまな栄養素を含むレーズンはぴったり。長期保存が可能で買い置きができますから、体のことを考えた栄養補給ができるおやつとしてぜひストックしておきたいです。
また、レーズンは脂質がほとんどないので、おやつとして用いれば急激な体重増加を防ぎ、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病の予防に役立ちます。さらに、水溶性と不溶性、両方の食物繊維を含んでいることから、便秘しやすい妊娠中の腸内環境を整える働きにも期待できます。
ダイエット中は食べ方に気をつけよう
レーズンは食物繊維が含まれているので、便秘しがちなダイエット中の腸内環境を整え腸活にも役立ちます。豊富な食物繊維のおかげで腹持ちがいいうえ、噛みごたえがあるため食べ過ぎを防ぐ効果も期待でき、ダイエット中に不足しがちな鉄分やむくみ防止になるカリウムといった、うれしい栄養素も豊富です。
ダイエット中に食べても優れた効果が期待できますが、レーズンは糖質、カロリーが高めな食材でもあります。ダイエット中に食べるなら無添加で砂糖不使用のものを選びます。食べ過ぎにも注意して、カロリーオーバーしない程度の量を摂取するようにしましょう。
通常、1日1/2カップ程(約120粒ほど)が適量といわれていますので参考にしてください。
レーズンは子供から大人までの栄養補給に最適な食材
何気なく口にしていたレーズンですが、実は栄養価が高く、美容、健康に効果が期待できる食材であることを理解していただけたのではないでしょうか。レーズンは子どもから大人まで食べやすく、手軽に摂取できるのも魅力です。
毎日のおやつやトッピングなど、さまざまな料理に積極的に使いながら好きな食べ方を見つけて、毎日の生活に上手に取り入れてみてくださいね。